コラムColumn

権利証、登記識別情報、登記事項証明書を紛失したらどうする?

2024.01.25

先日、某推理アニメで知ったのですが、
警察官ってお金とか拾っても自分のものにはならないらしです。
普通だと、落とし物を拾って警察に届けて何か月か落とし主が現れなければその落とし物を受け取ることができる
という決まりがあります。
かく言う我が家もお金を拾って警察に届けたら、
数か月後に落とし主現れずと連絡があり、
そのお金を受け取ったことがあります。

しかし細かいルールはあるようですが、警察官は原則拾得物を受け取る権利はないようです。
「へ~」って思ったので共有してみました。

さて、今回はそんな「落とし物」についてのコラムです。
不動産登記をして、不動産の所有者になると渡されるものがあります。
「権利証」や「登記識別情報」です。
呼び名は違いますが、どちらもその不動産の所有者であることを証明する大切な物です。
あとは、きちんと登記されたことを確認するために「登記事項証明書」も一緒に渡されることが殆どだと思います。

では、この権利証や登記事項証明書を紛失してしまったらどうなるの?どうしたらいいの?
についてまとめてみましたので、「わっ、紛失したかも、、」という方はご参考にされてください。

「権利証」「登記識別情報」「登記事項証明書」とは

まず、それぞれが何を指していて、どのくらい重要なのか説明していきます。

権利証とは

何となくお察しの方が多いと思いますが、これは自分がその不動産の権利者(所有者など)であることを証明する書類です。
そうです、かなりの【重要書類】ということになります。
どんなときに渡されるかというと、
・不動産を購入して自分の名義になったとき
・不動産の相続登記をして自分の名義になったとき
・抵当権を設定して自分が抵当権者となったとき
などです。上記の場合でも権利証が発行されない特殊な例外もあるので、
上記に当てはまるのに権利証渡されてない、、という方は実際に登記をした司法書士に問い合わせてみてください。

登記識別情報とは

これは、先に説明した権利証と同じ意味を持つのですが、1つ大きな違いがあります。
それは、「紙か情報か」ということです。
どういうことかと言うと、権利証は渡されたその紙そのものが権利を証明するものです。
なので先程「証明する【書類】です」と説明しました。
これに対して、登記識別情報は発行された紙自体には何の効力もありません。
大切なのは、その紙に記載されている12桁の符号です。
その符号を知っているということを以ってこの不動産の権利者だと証明することになります。
とは言っても、登記識別情報にその符号が記載されているのですから、実際はその紙自体が大切な書類になります。

じゃあ何で権利証と登記識別情報の2種類あるの?というと、
時代の流れでオンライン申請が進み、
それに対応するために紙ではなく符号で管理できるようにしたといった感じです。
じゃあいつからそうなったの?というと、
さすがに全国一斉にというわけにはいかず、
平成17年3月7日からジワジワと切り替わっています。
因みに、福岡法務局だと平成17年11月28日から登記識別情報になっているので
それ以前に不動産の権利者などになった人は権利証が渡されてるし、
それ以降に人は登記識別情報が発行されているということになります。

登記事項証明書とは

これは何かというと、俗にいう「登記簿」というやつです。
正式名称は登記事項証明書ですが、
古くからの習わしで司法書士事務所では未だに「登記簿」と呼んでいることが多いです。
登記事項証明書は土地や建物1つに1つ作成されるのもで、
これをざっくり私の言葉で説明すると、
その不動産の姿かたちと歴史が分かる書類です。
具体的にどういったことが記載されているかというと、
例えば建物だと
・所在や家屋番号
・種類や構造、床面積
・新築年月日
・歴代の所有者の氏名や住所
・歴代の抵当権者の氏名や住所
こんな内容が記載されています。
種類構造床面積などの姿かたちと、
歴代の所有者や抵当権者といった歴史が記載されてます。

この登記事項証明書も、不動産を購入して権利者(所有者)になったときに
間違いなく登記ができてますよ、という証明のために司法書士事務所から渡されることが殆どです。

紛失したらどうする?

では、次にここまでに紹介した書類を紛失したらどうするの?
と言うお話です
まず考えたいのが、紛失したらどんなときに困るの?ということです。
紛失して困るのは、使う場面ですよね。
使いたいのに手元にない、、困ったな、どうしようとなるわけです。
ではそれぞれどんな場面で使うことになるのでしょうか。

権利証・登記識別情報

権利証や登記識別情報を使用するのは、
大きく2パターンあります。
・その不動産を売却する場合
・その不動産に抵当権などを設定する場合
どちらの場合も、間違いなく自分がその不動産の権利者であると証明するために
権利証や登記識別情報が必要です。
ではそんな場面で権利証や登記識別情報を紛失していることに気が付いたらどうしたらいいのでしょうか。

前提として、売却時に紛失に気付いた場合には司法書士が然るべき対応を全てするのでご安心ください。
それ以外の場合には、別途司法書士に相談するかご自身で以下の対応を検討されてください。

1.勝手に他人名義になっていないか確認する

権利証だけで名義変更ができるわけではないので、
権利証や登記識別情報を紛失しているからといって勝手に名義変更されてるなんてことは殆どありません。
不動産売却時に「権利証ないな」という方もたまにいらっしゃいますが、
問題なくその方の名義のままになっています。
とはいえ、まずは登記事項証明書を取得してみて
勝手に名義変更されてないことを確認したほうがよいでしょう。

2.不正登記防止申出や登記識別情報の失効申出をする

これは、不正利用されないように先手を打つといったイメージです。
不正登記防止申出をすると申し出から3か月以内に登記申請があると本人に
「登記申請ありましたが大丈夫ですか?」みたいな通知が届きます。
なので不正利用されてもいち早く対応することができます。
登記識別情報の失効申出をすると通知された12桁の符号は永遠に無効となります。
なので、不正利用しようがなくなります。
いずれも、法務局に対して申請が必要です。

ただ、先にも少し触れたように、権利証だけで不動産の名義変更はできません。
実印と印鑑署証明書名所も必要ですし、本人確認も必要です。
なのでどんな対応をするのかは、やっぱり最寄りの司法書士事務所にご相談さることをお勧めします。

いざ必要なときはどうしたらいいの?

必要な対応が済んで一安心ですが1つ疑問が。
登記識別情報通知永久に使えんってどういうこと?
使いたいときどうしたらいいん?
ですよね。

再発行できない

権利証や登記識別情報はとても大切な重要書類です。
なので、再発行はできません。
じゃあ永久に不動産売れないの?というともちろんそんなことはなく、
そんなときのために制度はきちんと整えられています。

本人確認制度

このコラムのメインテーマではないので簡単に記載します。
不動産を売却したいけど権利証や登記識別情報を紛失している場合は、
司法書士が本人確認制度に則った本人確認を行い、
「間違いなく本人です!」と証明することで権利証や登記識別情報の代わりとすることができます。
※別途費用がかかります。

事前通知制度

権利証や登記識別情報を提出せずかつ本人確認制度の利用もない場合、
法務局から「本当に本人ですか?本当にこの取引間違いないですか?」
とお手紙が届きます。
これに対してお手紙発送から2週間以内に「間違いないです!」といった旨の返送をすることで
権利証や登記識別情報の代わりとすることができます。
別途費用は掛かりませんが、
きちんと返送しなければ取引が流れてしまうという恐ろしい側面をはらんでいるので、
不動産売買の登記申請時に利用されることは殆どありません。

登記事項証明書

確定申告の時期になったので、
もしかしたら登記事項証明書をお探しの方もいらっしゃるのではないかと思います。

まず登記事項証明書もらったはずなのに見当たらないなと焦っている方へ一言。
この登記事項証明書は何等かの権利を証明する書類ではありませんので、
紛失してるなと思っても特に焦る必要はありません。
え?個人情報載ってるじゃん、、焦るよ、、
って思われるかもしれませんが、
そもそもこの登記事項証明書は公開されている情報なのでいつでも誰でも取得することができます。
そして手数料はかかりますが何回でも発行できるので、
もし必要になったら最寄りの法務局へ請求するとすぐに取得することができます。

登記事項証明書発行に必要なもの

・証明書1通につき600円の収入印紙(法務局で販売してます)
・取得するための請求書(法務局に置いてます)
※取得したい不動産の所在地番や家屋番号などを把握して行かれてください

困ったらまず司法書士にご相談ください

長々と書きましたが、
大切な書類を紛失した場合、初動が大事です。
「ない!やばい!」と思ったら、
お気軽にふくおか司法書士法人へご相談ください

わたしたちは皆様のお困りごとを解決する
福岡の司法書士事務所です。

ふくおか司法書士法人では、不動産登記、商業登記、債務整理、後見業務などに専門のスタッフを配置し、依頼者のためにふくおか司法書士法人で対応しうる限りの支えになることを心がけております。
また、より高い専門性を生み出すために弁護士、税理士、社会保険労務士等の他士業の先生方とも協力し合いながらワンストップで業務にあたっています。
事務所設立時の「誰かの支えになりたい」「目に映る困っている人の力になりたい」という想いは、今も変わらずわたしたちの強い原動力となっています。

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