コラムColumn

取締役に辞めてもらいたいとき、どうしたらいい?

2024.04.11

初めて4月開催となったF1日本GP、よかったですね。
角田選手が日本GPで初のポイント獲得などもあり、
F1ファンの日本人にとってはとても満足のいく週末だったのではないかと思います。
個人的には推しのイケメンレーサーが順位を上げて最後まで走り切ってくれて大満足でした。

さて今日は取締役に「もう辞めてもらいたいんだけどな」と思ったときの
手段やそのメリットデメリットについてご紹介します。

辞めてもらいたいときの3つの手段

取締役がその地位を退く場合、一般的に3つの手段があります。

①辞任してもらう
②任期満了で退任する
③解任する

1つずつ見ていきます。

超円満 辞任

「辞めてもらいたいな」と思ったときの一番の円満解決方法は、
自ら辞任してもらうことです。

メリットは自らの意思で辞任するので、
よっぽど追い込んだとかでもない限り後々問題になることはないです。
そしてもう1つのメリットが、登記申請にあります。
辞任の場合は、後でご紹介する任期満了や解任と違って株主総会などが不要です。
申請書と辞任届だけで登記申請をすることができます

辞任する取締役ときちんとコンセンサスがとれていれば、
これといったデメリットもないかなと思います。

一先ず安心 任期満了

次に任期満了による退任です。
取締役には必ず任期があり、その期間は会社法で定められています。

原則2年ですが、定款で短縮したり10年まで伸長することが可能です。

じゃあこの任期満了で辞めてもらいたい場合どうしたらいいのか?というと、、
株主総会で再任しないという方法になります。

株式会社は毎年定款で定めた時期に定時株主総会を開催します。
そして取締役の任期が満了する定時株主総会では次の取締役を選任するための決議が行われます。
この際に、辞めてもらいたい取締役を選ばなければいいのです。
すると、任期満了という比較的円満な形で辞めてもらうことができます。

任期満了で退任した場合も登記申請が必要です。
この際、任期満了した旨の記載がある定時株主総会議事録や株主リストの提出が必要で、
辞任に比べると少し必要書類が複雑になります。

任期満了退任にはデメリットがあります。
それは、任期満了まで待たなければいけないということです。

先程、取締役の任期は会社法で定められているとご紹介しましたが、
例えば定款の定めにより取締役の任期を10年に定めていたとします。
するとタイミングによっては、10年近く任期満了が訪れないという可能性もあり
任期満了で退任してもらうという手段が現実的ではない場合も出てきます。

任期変更すると損害賠償の可能性も

察しのよい方は、思いついたかもしれません。
「任期を短くすればいいやん!」と。
定款は株主総会の特別決議でいつでも変更することができます。
なので、例えば10年になっている取締役の任期を1年に変更して、
任期満了させて退任してもらう。という方法もできなくはありません。
しかしこの方法には以下のような判例があるので注意が必要です。

(東京地裁平成27年6月29日判決・判例時報2274号113頁)
取締役の任期短縮によって退任した在任取締役は、
会社法339条2項の規定の類推適用により、
任期短縮による退任に正当な理由がある場合を除いて、
株式会社に対して損害賠償を請求できる。

会社法339条2項については後の解任でご紹介しますが、
とにかく、正当な理由なく任期短縮した場合損害賠償請求できるよ。
という判例があるので、慎重に進める必要があります。

役員ごとに異なる任期とすることができる

因みに結構マイナーですが、
「まだ分からないからこの人だけは任期を短くしたいな」
といったことが可能です。

例えば
Aさんは1年
他の役員は10年とか、
定款を色々カスタマイズすることができます。
詳しくはこちらをご覧ください。

最終手段 解任

「辞めてもらいたいな」と思ったときの最終手段が解任です。
何故最終手段かというと、やはりデメリットやリスクが大きいからです。

取締役の解任については会社法339条1項で
「いつでも株主総会の決議で解任することができる」と定められています。
なのでこの条文のとおり、株主さえ納得していれば解任すること自体は割と簡単にできます
しかし解任はその後が問題で、会社法339条2項にはこんな風に書かれています。
「株主総会の決議により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、
株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。」

分かりますか?339条2項で何が言いたいかというと、
たとえきちんと株主総会を開いて解任したとしても
「正当な理由なし」と判断された場合には、
解任されなければ「在任中に得られたであろう役員報酬等を賠償せよと!」請求される可能性があるのです。
リスク高いですよね。

さらに解任した場合には、登記簿に「解任」と記載されます
対外的なイメージもあまりよくないので、できれば解任は避けたいところです。

会社の登記はふくおか司法書士法人へ

今日は取締役に辞めてもらいたいときの手段についてご紹介しました。
もちろん「辞めてもらいたいな」と思うことがないのが一番ですが、
やはり会社の経営をしているとそういった場面も出てくるかと思います。
そんなときに「解任する」という事態を避けるべく、
定款の役員任期を見直してみるというのも1つのリスク管理かもしれません。

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