コラムColumn

電子署名を利用したオンライン申請による登記申請について

2022.07.31

会社の変更登記などを司法書士に依頼するときは、
一般的に委任状に会社の実印を押して
他にも必要に応じて様々な印鑑を紙に押して
その紙を管轄の法務局に提出することで変更登記申請をします。

今回は、この紙のやり取りをなくして電子署名した書類のみで対応してもらないか?
とのご依頼をいただき無事登記申請が完了しました。

現在一般的に利用されているのオンライン申請

オンライン申請が推奨され、紙申請する司法書士は減ってきています。
しかし、現在、司法書士事務所で一般的に利用されている「オンライン申請」も
実は、完全なるオンラインではなく、半分紙の要素が混ざっています。
そのことから、「半ライン申請」と呼ばれていたりします。
じゃあ、紙申請と半ライン申請とオンライン申請って何が違うの?というと、
こんな感じです。

①紙申請:申請書も添付書類も全て紙で準備して管轄の法務局に持参または郵送する方法
②半ライン申請:申請書は電子署名をしてオンラインで申請して、添付書類は紙で準備して管轄の法務局に持参または郵送する方法
③オンライン申請:申請書も添付書類も電子署名してオンライン申請する方法

では、多くの司法書士事務所で②の申請方法が主流となっているのはなぜでしょうか?

電子署名を利用した完全オンライン申請が利用されていない理由

会社から司法書士に登記を委任する場合、委任状に会社の実印を押します。
これを③オンライン申請でする場合は、委任状に電子署名をして電子証明書を送信しなければいけません。
登記申請をする司法書士はもちろん、依頼をする会社側も電子証明書の取得が必要なのです。
そのため、「そんなことしてないし委任状には実印押します」という会社が多く、
必然的にオンライン申請を取り扱ったことがない司法書士事務所がまだまだ多いというのが実情です。

しかし、コロナ禍でリモートワークが増えたことにより、
これまではすぐそこにいて印鑑を押してくれていたあの人がなかなか捕まらない、、
ということも増え、電子証明書の取得をという流れになっている会社は増え、
今後登記申請においても、オンライン申請の需要は拡大していくことが考えられます。
なので、今回は実際にご依頼いただいた役員変更をオンライン申請する場合の流れや準備いただくものなどをご紹介します。

電子署名を利用した役員変更のオンライン申請について

先にも書きましたが、このオンライン申請をする場合、
依頼する会社側でも電子証明書の取得が必要です。
そして、商業登記で使用できる電子証明書の種類は限れており、
さらに、誰が?どんな状況で?どんな書類に署名するのか?
によっても求められる電子証明書が異なります。

今回は実際にご依頼いただいたケースを基に
具体的な事例で必要な書類や電子証明書についてまとめてみました。

事例

・取締役会設置会社
・重任取締役3名
・新任取締役1名
・重任代表取締役1名
・新任監査役1名

まず、この場合に必要書類を紙で準備しようと思ったら以下のような書類が必要です。
・委任状:会社の実印で押印
・株主総会議事録:押印不要
・取締役会議事録:代表取締役の名で会社実印を押印+出席した取締役全員の認印で押印
・新任する取締役と監査役の就任承諾書:新任者の認印で押印
※重任する取締役は株主総会に出席して席上就任承諾をしたため就任承諾書は不要
※重任する代表取締約は取締役会に出席して席上就任をしたため就任承諾書は不要
・新任する取締役と監査役の本人確認書類

これを紙で準備せず電子署名などをしてデータを送ることで登記申請の依頼が可能になります。
例えば、取締役会議事録ですが取締役全員が印鑑を押すのって結構大変ですよね。
全員に紙回して印鑑を押してもらうか、メールでデータを送信して受け取った側で印刷して印鑑押して郵送するか。
電子署名のメリットの1つとして、こういったコストや労力をおさえることができるということがあります。

では、実際にこの会社が電子署名で登記申請をしようと思ったら、
各添付書類はどのような対応が必要なのでしょうか?

書類によって求められる電子証明書が異なる

紙で書類を準備するときに、会社の実印が必要か?個人の実印が必要か?認印でいいのか?が違うように、
オンライン申請をする場合も、その書類によって送信すべき電子証明書が異なります。
今回の事例だとこうなります。

・委任状:会社の実印で押印をオンライン申請する場合
1.商業登記電子証明書
2.公的個人認証サービス電子証明書
3.特定認証業務電子証明書
4.官職証明書

・株主総会議事録:押印不要をオンライン申請する場合
電子証明書の送信不要

・取締役会議事録:代表取締役の名で会社実印を押印+出席した取締役全員の認印で押印をオンライン申請する場合
<代表取締役の名で>
商業登記電子証明書
1.商業登記電子証明書
2.公的個人認証サービス電子証明書
3.特定認証業務電子証明書
4.官職証明書
<出席した取締役全員の>
1 商業登記電子証明書
2 公的個人認証サービス電子証明書
3 特定認証業務電子証明書
4 官職証明書
クラウドサイン、電子印鑑GMOサイン、Adobe Sign、マネーフォワード クラウド契約、セコムあんしんエコ文書サービス
など多数

・新任する取締役と監査役の就任承諾書:新任者の認印で押印をオンライン申請する場合
1 商業登記電子証明書
2 公的個人認証サービス電子証明書
3 特定認証業務電子証明書
4 官職証明書
クラウドサイン、電子印鑑GMOサイン、Adobe Sign、マネーフォワード クラウド契約、セコムあんしんエコ文書サービス
など多数

・新任する取締役と監査役の本人確認書類をオンライン申請する場合
上記就任承諾書に1~4以外のクラウドサインなどの電子証明書を送信した場合は紙申請同様、別途本人確認書類の添付が必要
※重任する取締役は株主総会に出席して席上就任承諾をしたため就任承諾書は不要⇒電子署名の場合も同様
※重任する代表取締約は取締役会に出席して席上就任をしたため就任承諾書は不要⇒電子署名の場合も同様

どの電子署名所だったらいいの?について詳しくは法務省のHPに一覧表が掲載されています。

実務の流れ

ご相談いただいてから登記申請までは以下のような流れになります。

1.変更内容のヒアリング(zoomなどのオンライン面談も対応しています)
2.お見積書のご提示
3.必要書類など具体的にご準備いただきたい書類や電子証明書のご案内
4.ご捺印書類を作成、送信
5.4の書類に電子署名いただいた書類返信いただく
6.登記申請

データのやりとりはメール、チャットワーク、LINEで対応可能です。

まとめ

今回は事例として、例えばこんな電子証明書が必要ですよ
といったことをまとめてみましたが、会社の機関構成によって必要な書類は変わってきます。

電子証明書を活用した登記申請をご検討されている
ぜひふくおか司法書士法人までご連絡ください。

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