コラムColumn

印鑑届出書と印鑑廃止届について:会社の登記方法

2019.04.02

会社の実印とは?

ずーっと昔、私がまだ世間というもの知らない頃、

象牙で出来ていて、エジプト人が書いたような字体で彫られている印鑑全般、のことを、実印と呼ぶのだと思っていました。

確かに、そのような表現が似合う印鑑を実印として使っていてる人は多いのであながち間違いではなかったかもしれません。

しかし、正しくは、市区町村の役所に登録した自分の印鑑のことを「実印」と呼ぶのですね。言わずもがな、印鑑の形状は全く関係ないです。

同じように、会社でも、印鑑登録が必要です。条文にはこのように書いてあります。

 登記の申請書に押印すべき者は、あらかじめ、その印鑑を登記所に提出しなければならない。改印したときも、同様とする。(商業登記法第20条第1項) 

司法書士受験生時代、この条文を知ってまず思い浮かんだのが、法務局の奥に潜む超巨大な印鑑部屋でした。

そこには、会社の数だけ印鑑が保管されており、必要に応じて印鑑を取り出して使う。法務局の職員さんも、一つ一つその印鑑を取り出すのは大変でしょうが、それは時代に応じて自動で印鑑が出てくる機械めいたものが置いてあるのかな、と信じ切ったまま受験を乗り切りました。

しかし、その壮大なイメージが全くもって間違いだったことに一瞬で気付かされたことは言うまでもありません。

提出するのは、印影です。印鑑それ自体ではありません。←周知の事実でしょうが念の為。

 

 誰が印鑑を提出するの?

それでは、印鑑を提出するのは誰でしょう。

個人であれば、当然その人ですが、会社の場合には、代表取締役、つまり社長です。

代表者は、複数居ても構いません。その場合には、そのうちの1人が印鑑を提出してもいいですし、代表者それぞれが提出してもいいことになっています。

つまり、会社にとっての実印が複数個存在することもあり得るわけです。

ちなみに、会社の実印は、代表取締役それぞれと紐付いているので、代表取締役Aさんの実印はA実印、代表取締役Bさんの実印はB実印、となっています。

会社の代表印が複数ある、ということはお互いが知らないところで会社の重要な契約が結ばれていることもあり得る、ということなので責任の所在をはっきりさせている、ということです。

 印鑑の提出方法

それでは具体的に印鑑の提出方法をご説明します。

商業登記法には、その印鑑の届出は、「印鑑(改印)届書」を使用して行う。設立時の、代表者としての印鑑届も「印鑑(改印)届書」を使用して行う、と定められています。

この印鑑届出書には、個人の実印を押す欄があり、印鑑証明書も添付します。この際の印鑑証明書の期限は3ヶ月です。

この「印鑑届出書」に押された印影が印鑑証明書の印影になるので、かすれたり欠けたりしないように気をつけましょう。印鑑をきれいに押すためには、面倒でも捺印マットを使うことをオススメします。個人的には、柔らかくてクッション性のあるものが好きです。

法務局に行くと、この印鑑届出書の隣に似てるけど色が違う「印鑑・印鑑カード廃止届」という用紙もあります。

こちらの用紙は出番が少なく、例えば、印鑑を紛失したから新しい印鑑が用意できる前に急いで廃止したいという場合や、摩耗してきたので変更したいけれど、何らかの事情で新しい印鑑を準備できていない、といった場面で登場します。

新しい印鑑が既に準備できていれば、「印鑑(改印)届書」の出番になり、ほとんどはこちらを使います。

 「印鑑廃止届」を忘れないで!実務者必見の事例

事例1;会社の代表者が一人Aのみである場合に、取締役Bが代表取締役として就任。Aは代表者を辞任するが、代表者印及び印鑑カードはそのままBに引き継がせたい

事例2;会社の代表者が一人Aのみである場合に、取締役Bも代表取締役に就任。Aは代表者として残存するが、代表者印及び印鑑カードはそのままBに引き継がせたい

という場合、
事例1は、「印鑑(改印)届書」のみを提出して、印鑑と印鑑カードをAからBに引き継ぎます。だから、印鑑廃止届は不要。Aは辞任するので「印鑑・印鑑カード廃止届」を提出するまでもなく、もともとのAの代表者としての印鑑は廃止されます。

事例2は、「印鑑(改印)届書」に加えて「印鑑・印鑑カード廃止届」も提出が必要です。Aは代表者としては残存するので「廃止届」を提出しないと前の印鑑が残ってしまうことになるます。

 

さて、いかがでしたか?

印鑑届一つとっても、商業登記実務は複雑です。実は、声を大にしては言わないけれど、商業登記を苦手にしている司法書士って多いのです。

ふくおか司法書士法人では、そんな司法書士(商業登記が苦手な司法書士)に加えて、こんなことを記事にしてしまうぐらう商業登記が大好きな司法書士も在籍していますので、複雑な事案も安心してご依頼ください。

 

 

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