管轄をまたぐ不動産の登記申請について
2024.06.05
このコラムにたどり着いた方は恐らくご存知かと思いますが、
不動産登記の世界には「管轄」なるものがあります。
例えば福岡市中央区の不動産だと福岡法務局、
糸島市の不動産だと、福岡法務局西新出張所が管轄の法務局となり、
その不動産に関して何か変更したい場合には、
管轄の法務局に登記申請をすることになります。
ではここで1つ疑問が。
この管轄をまたいで建っているマンションはどこに登記申請したらいいのでしょうか。
管轄をまたいでいないマンションの登記申請
まずは、管轄をまたいでいないマンションの登記申請からおさらいしていきます。
マンションの敷地は一軒家に比べると膨大で、
複数の土地を敷地としているマンションは少なくありません。
例えばこんな感じです。
福岡市中央区の土地①と福岡市中央区土地②を敷地としてマンションが建っています。
まず、管轄をまたいでいる・いないの前にマンションの登記で注目したいのが、
土地が敷地権化されているかどうかです。
敷地権化とは
敷地権化を登記目線で簡単に説明すると、
土地が建物とセットになっているため、建物と別で土地の登記をしなくてよい敷地ということです。
登記簿を確認すると、敷地権化されているかどうか簡単に確認することができ、
もし敷地権化されている場合には、どんな管轄の土地の上に建っているマンションでも、
土地のことは無視して建物の管轄の法務局に登記申請をすればいいのです。
図の場合は、建物の管轄である福岡法務局だけに登記申請をすればOKです。
では敷地権化されていないマンションはどうなるのでしょうか。
敷地権化されていない上に管轄をまたぐマンションの登記申請
敷地権化されていないマンションの場合は、
全ての土地建物でそれぞれ登記申請が必要です。
先の図のように全ての土地建物が福岡法務局の管轄に属する不動産の場合は、
それぞれを福岡法務局に登記申請することになります。
例えば土地①土地②をそれぞれ持分1000分の1を所有していたとします。
そしてこの土地建物を売却した場合には、2件の登記申請が必要です。
1件目:建物の所有権移転登記を福岡法務局に申請する
2件目:土地の持分移転登記を福岡法務局に申請する
では、敷地権化されていないマンションで且つ、
敷地の管轄が異なる場合はどのような登記申請が必要なのでしょうか。
敷地の管轄が異なるマンションの登記申請
敷地の管轄が異なるマンションとはこんな感じです。
福岡市中央区の土地①と福岡市早良区の土地②を敷地とするマンションが建っています。
福岡市中央区と福岡市早良区の不動産登記の管轄は異なるので、
この土地建物を売却した場合には、それぞれの法務局に登記申請をする必要があります。
福岡法務局
1件目:建物の所有権移転登記申請
2件目:福岡市中央区の土地①の持分移転登記申請
西新出張所
福岡市早良区の土地②の持分移転登記申請
名変や抵当権設定もそれぞれの管轄に申請が必要
所有権移転を例に挙げて必要な登記申請をご紹介しましたが、
名変や抵当権設定をする場合もそれぞれの管轄に登記申請が必要です。
抵当権設定では、不動産の筆数が少ない管轄を追加設定にすることで、
登録免許税を安くできたりするので、申請書の書き方に注意が必要です。
不動産登記はふくおか司法書士法人へ
今日は管轄をまたぐマンションの登記申請についてご紹介しました。
ふくおか司法書士法人は不動産登記の専門のスタッフが様々な案件に対応しています。
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