コラムColumn

成年後見人がついている場合の本人確認情報作成

2021.10.08

不動産登記の際、売主さんの本人確認や意思確認は重要です。
なぜなら、売主さんは権利を失ってしまうから。です。
このことから、「買主=権利者」「売主=義務者」と呼ばれています。

私は、1話のグロテスクな内容に負けて
それ以降見れてませんが、
うちの事務所でも大ブームな鬼〇の刃風事例でご紹介しますね。

登場人物

買主:ぜんいつ
売主:ねずこ
ねずこの後見人:司法書士たんじろう

ねずこは判断能力を欠いており、後見人にたんじろうが就任しています。
たんじろうは、ねずこの生活費の足しにするために、
ねずこが所有している土地をぜんいつに売却しようと思いました。

それでは、はじまりはじまり~。

「ねずこ=義務者」の必要書類

この、ねずこからどんな書類をもらって、
どんな確認をしたらいいのか?
それは

・実印で押印
・印鑑証明書
・権利証

です。

後見人がついている場合の押印義務者

後見人は「法律行為を行う判断能力がない人」についています。
なので、当然、後見人がついているねずこは、
土地を売る売らないの判断能力はありません。

そのねずこから実印を押してもらったり、
印鑑証明書をもらっても何の意味も持ちません。

そこで登場するのがたんじろうです。
たんじろうはねずこに代わって、
ねずこのためになる法律行為を行うことができます。

今回は「ねずこの生活資金の足しにするため」に
「ねずこの土地を売却」するので、
たんじろうが代わりに手続きをします。

ということは、、
たんじろうの実印を押印して、
たんじろうの印鑑証明書をもらいます。

司法書士たんじろうが提出する書類

登記事項証明書(たんじろうがねずこの成年後見人であることを証する書面)
印鑑証明書(今回は裁判所発行の印鑑証明書を提出します)
一般的には、この2点を提出して、実印をおせばOKです。

権利証は?

権利証はねずこに対して発行されているものなので、
ねずこの権利証をもらいます。

ねずこが権利証を紛失している場合

こともあろうか、ねずこが権利証を紛失していました。

鬼〇みてないので、全然気の利いたエピソードが思いつきませんが、
きっと、旅の途中で落としてしまったのでしょう(適当)
この場合、3つの選択肢があります。

①司法書士が本人確認情報を作成する
②公証役場で本人確認する
③事前通知制度を利用する

それぞれメリットデメリットはありますが、
今回は売買の登記なので、
一般的に利用される①で話を進めます。

おまけ なぜ①が一般的に利用されるのか

①は、司法書士が直接会って本人であることを確認するので、
取引が流れてしまうリスクは低いです。
それに比べて、②と③は、
②たんじろうがちゃんと公証役場に行くか心配。
③たんじろうがちゃんと通知に対して返信するか心配。

つまり、②と③は、「登記がきちんとできるか」が、
たんじろう次第になってしまうのです。

融資等が絡む売買の場合、
ちょっとリスク高いですよね。。
なので、売買の登記の場合、一般的に①が利用されることが多いのです。

成年後見人(たんじろう)がついている場合の本人確認情報作成

成年後見人がついている場合、
本人確認は成年後見人に対して行います。

ここで問題が発生しました。
たんじろうが登録している司法書士としての住所と個人の住所が違います。

個人の住所:山梨県
事務所の住所:福井県
(通勤時間!の矛盾は無視してください)

後見人としての住所は事務所の住所です。
しかし、本人確認情報作成の場合、
一般的に1号書類と呼ばれる運転免許証などを添付します。

この運転免許証に記載されている住所は、
当然、個人の住所です。
なので、こんな矛盾がでてきます。

法務局としては、これ同一人物ですか??
ってなるんです。

福井県のたんじろうと山梨県のたんじろうは同一事物だ!という証明が必要

どう考えたって同一人物なのですが、
書類で証明する必要があります。

それには、
「司法書士連合会が発行する登録事項証明書」の提出が必要です。

この登録事項証明書には、個人の住所と事務所の住所をのせることができるので
「同一人物だな」と証明することができます。

取得方法

各県の司法書士会に申請して、
東京の司法書士連合会が発行する。
のだそうで、頑張って急いでも1週間くらいはかかるとのことです。

早めの対応が必要ですね。

実はこれ、レアケース

成年後見人がついてる案件で本人確認情報を作成することはあまりありません。

なぜなら、2つの壁を超えてこないと本人確認情報作成に至らないからです。

第一の壁 権利証を紛失していること
第二の壁 家庭裁判所の許可がでていないこと

いつもと違うのは、第二の壁です。
成年被後見人が不動産を売却する場合、
結構高い確率で家庭裁判所の許可を取得しています。

なぜなら、、
成年後見人が、成年被後見人の居住用不動産を処分するには、
事前に家庭裁判所に居住用不動産処分の許可の申立てをし、
その許可を得る必要がある。

とされているからです。
ポイントは「居住用」です。

住んでる所ってすごく大事で、
そこを売却してお引越しをして住環境が変わると
認知症等の症状が悪化することがあるんだそうです。

そういったことからも、
居住用不動産の処分については、
家庭裁判所の許可をいただくという
慎重な対応が求められます。

そして、この許可があると、
登記申請のときに、権利書の添付が不要になるのです。

なので、第一の壁(権利証を紛失)を超えても、
家庭裁判所の許可を取得していれば本人確認は不要となります。

ちなみに、、

「居住用」でなくても、念のために家庭裁判所の許可を取得して売買をすることもよくあります。

まとめ

長文となりましたので、最後にまとめです。

売主さんに成年後見人がついている取引で
本人確認情報の作成が必要な場合、
後見人の住所に注意が必要。
事務所と個人の住所が違い、整合性が取れない場合、
司法書士連合会が発行する登録事項証明書の添付が必要。

無事にねずこ&たんじろうは、ぜんいつに土地を売却して、
幸せに暮らしましたとさ。

でした~

今週末は鬼〇の刃の勉強します。

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