コラムColumn

土地の共有関係を解消する手続き。共有物分割登記とは?

2022.03.07

相続などで不動産を取得すると、
1つの不動産を複数人で所有していることがあります。

この複数人で1つの不動産を所有していることを「共有関係」と言ったりします。
たとえば、ふくおか太郎とみやざき次郎が甲土地を
持分2分の1で共有している場合です。

この共有関係は民法改正により
緩和された部分はありますが、やはり
「できることなら単有(1人だけで所有すること)の方がいいよね」
感は拭いきれません。

例えば、不動産を売却するときのことです。

共有している不動産を売買したいときの問題点

この状況で、甲土地を売却したい場合、
ふくおか太郎、みやざき次郎、くまもと三郎
の3名で協力して登記手続きを行わなければいけません。

ふくおか太郎とみやざき次郎どちらか一方が
「気にいらん!協力せん!!」
と言い出したら、甲土地の所有権移転登記はできません。

こういったことがあるので、
「できることなら単有(1人だけで所有すること)の方がいいよね」
と言われているのです。

そこで、既に共有名義になっている不動産の
共有関係を解消して
単有(1人の名義)にする手続きがあるのです。

共有物分割による持分移転登記

例えば、甲土地を太郎と次郎が共有していました。
持分2分の1ふくおか太郎
持分2分の1みやざき次郎

太郎と次郎は話し合って、
甲土地を半分に分けてそれぞれ所有することになりました。
これを「現物分割」と言います。

この場合、まず甲土地を、「乙土地」と「丙土地」に
分筆登記します。(土地家屋調査士さんのお仕事です)

すると、
乙土地
持分2分の1ふくおか太郎
持分2分の1みやざき次郎

丙土地
持分2分の1ふくおか太郎
持分2分の1みやざき次郎

といった感じでそれぞれの土地を
共有していることになります。

そこで、乙土地・丙土地それぞれで
持分移転登記をすることで
乙土地:みやざき次郎の単独所有
丙土地:ふくおか太郎の単独所有
にすることができます。

こうなれば、みやざき次郎は乙土地を自分だけの判断で自由に売却できるし、
ふくおか太郎は丙土地を自分だけの判断で自由に売却することができるようになります。

売買や贈与などによる所有権移転登記と何が違うの?

売買や贈与による所有権移転登記と
共有物分割による持分移転登記の最大の違いは「税金」です。

登記をするときに納付する「登録免許税」の税率が
一定の要件のもと、
「20/1000」⇒「4/1000」になります。

要件とは

①分筆された不動産の共有物分割登記である
②乙土地と丙土地の共有物分割登記を同時に申請するこ
③4/1000が適用されるのは、分筆する前に所有していた部分に限る

③は、ざっくり説明すると、
もともと2分の1しかもってなかったんだから、
もし2分の1以上取得する場合は、
その部分については20/1000の税率で登録免許税を支払ってね。
ということです。

どうでしょうか?
理解するのは少し難しいかもしれません。

うーん、分からない、
どんな手続きになるのかもっと知りたい!
など、共有物分割登記でお困りの際は
お気軽にふくおか司法書士法人までお問合せください。

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