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代表取締役だけ辞任したい場合の手続き

2022.07.30

一般的に登記されている取締役などが辞任したい場合、
辞任届を書いて印鑑押して、変更登記申請に添付すると辞任登記ができます。
辞任したいんだから辞任届ですね。

しかし、ある限定的な状況の下で辞任をする場合、
辞任届だけでは登記申請が認められないことがあります。

それは、「取締役会を設置していない会社」の
「代表取締役のみ辞任」したい場合です。

これって、結構該当することがあると思いませんか?
例えば取締役会を設置してしていない
取締役:AとB
代表取締役:A
この会社が代表取締役をBに変更したい場合とかです。
この場合、Aは取締役には残りたいので代表取締役のみ辞任することになります。

ではこんな場合、どのような手続きが必要なのでしょうか?

辞任するための3つのパターン

取締役会を設置していない会社で代表取締役のみ辞任したい場合、
その代表取締役がどのような方法で選ばれたのか?によって必要な手続きが3パターンに分かれます。
①各自代表になっている場合
②取締役の互選になっている場合
③定款や株主総会の決議になっている場合

ちなみこの選定方法は定款の定めによるので
定款を確認されてみてください。

①各自代表になっている場合

各自代表とは、特にだれがなるとか決めてないから
取締役に就任し人はもれなく代表取締役にも就任しますよ。ということです。
取締役=代表取締役ですね。

取締役:AとB
代表取締役:AとB

この場合、例えばBが代表取締役だけ辞任して取締役には残りたいという手続きはできません。
なぜなら、「セットでなってるんだから、辞める時もセットだよね」って考え方です。
なので、Bは取締役も一緒に辞任して再度取締役に就任しなおしとかになります。

そして、定款そのままの状態でBが取締役に就任していまうと
またセットで代表取締役もついてきてしまって無限地獄になるので、併せて定款変更も必要です。

では、どのような定款の内容に変更したらいいかというと
②取締役の互選で選ぶ
③定款や株主総会の決議で選ぶ

ことにすればいいのです。

②取締役の互選になっている場合

この場合、取締役の互選で代表取締役を選んでいるので、
セットではありません。元々セットじゃないから好きに辞任していいんじゃない?
という考え方になります。

なので、定款の定めにより取締役の互選で選ばれた代表取締役は
辞任届の提出で代表取締役のみ辞任することができます。

③定款や株主総会の決議になっている場合

この場合も②と同じで、取締役と代表取締役はセットにはなっていません。
なので代表取締役だけ辞任することはできます。
しかし、「どうやって選ばれたか?」というところが②と違うので、
辞任するための手続きも違います。
③の場合、定款や株主総会で選ばれているので、
辞任届1枚で勝手にやめるのはよくないよねという考え方です。
定款や株主総会で選ばれているというこは、
その意思決定に株主が関わっているということになります。
辞める時も株主の意思決定によって辞めてもらいましょ。ということです。

なので、定款や株主総会の決議によって選ばれた代表取締役は
辞任決議をした株主総会議事録の提出がなければ辞任登記をすることができません。

取締役も辞めたい場合

ここまでまとめた内容は、あくまで「代表取締役だけ辞任したい」場合の手続きです。
取締役だって辞めてやる!と言う場合は、辞任届1枚で辞任することができます。

取締役会設置会社の場合

取締役会を設置している会社の代表取締役が
代表取締役のみ辞任したい場合は、辞任届のみで登記申請が可能です。

代表取締役は必ず取締役会で選ばれるので、自由な意思で辞任ができるのです。

辞任届の印鑑にご注意

会社を設立すると殆どの場合、実印登録をします。
実印登録をしている代表取締役の辞任届には
登録している会社実印で押印する又は
代表取締役個人の実印で押印する+印鑑証明書の提出
が必要なので、ご注意ください。

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