コラムColumn

持分会社って何?持分譲渡手続きはどうする?

2022.12.23

あまり耳にすることがない「合資会社」。
自ずと依頼をいただくことも殆どありません。

今日はそんな持分会社の持分譲渡についてまとめてみました。
このコラムは大枠の説明なので、詳しくはふくおか司法書士法人までお問合せください。

持分会社とは

持分会社は株式会社のような会社の種類のことです。

会社の種類には株式会社と持分会社があって、
さらに持分会社は
①合同会社
②合資会社
③合名会社
に分類されます。

ではこの持分会社と株式会社はどのような違いがあるのでしょうか。

株式会社と持分会社の違い

沢山違いはあるのですが、本質的な大きな違いはこの2点です。
①所有と経営が分離されているかどうか
②出資者(社員)の責任の違い

1つずつ簡単にご紹介します。

①所有と経営が分離されているかどうか

これまでのコラムでも何度か書いたことがあるのですが、
会社には2つの立場があります。
それは、所有者と経営者です。
この所有者と経営者がイコールかどうかが株式会社と持分会社の違いです。

株式会社は「所有と経営の分離」という言葉もあるように、
所有者(出資者)と経営者が同じである必要はありません。
もちろん一緒でも構いませんし、日本の中小企業は同じであることが割と多いです。

一方の持分会社は、必ず「所有者=経営者」となり、
出資者自身が経営をしてその利益配分を受けることになります。
なので、持分会社設立時において、出資してないのに社員になるということは不可能なのです。
株式会社だと、出資してないくても取締役に就任することは可能ですよね。

②出資者(社員)の責任の違い

次に出資者(社員)の責任の違いについてです。
株式会社がイメージしやすいかと思うのですが、
例えば自分がどこかの会社の株を購入して株主になったとします。
この会社が倒産してしまったときに、株主はどのような責任を負うのでしょうか?

債権者から会社の債務について督促があるでしょうか?その督促に応じる義務はるでしょうか?
ないですよね。

なぜなら、株式会社の株主は「間接有限責任」しか追わないですよ。
と法律できちんと決められているからなんです。
この間接有限責任とは、「出資者は自分が出資した額を限度として責任を負う」というものです。
あら?責任やっぱり責任追うの?と思われたかもしれませんが、
これは例えば100万円で株を購入してその株が紙切れになっても100万円は返しませんよといったイメージです。
出資した100万円分は責任もってねってことですね。

では、持分会社の出資者(社員)はどのような責任を負うかというと、
実は持分会社はその種類によってさまざまな責任を負う社員が存在します。
合同会社:間接有限責任社員
合資会社:無限責任社員
合名会社:無限責任社員+直接有限責任社員

合同会社は株式会社と同じですね。
次に直接有限責任社員です。
これは、出資額を限度とする点では間接有限責任社員と一緒ですが、
「直接」となっているので債権者から直接責任追及されます。こわいですね。
さらにこわいのが、無限責任社員です。
これは会社の債務について無限に責任を負います。
会社に負債があり、会社の財産で間に合わない場合は、
無現責任社員の個人資産からの返済を余儀なくされるということです。
もちろんこれは直接責任なので、債権者から直接追及されます。

何かあったときに出資者(社員)がつらい順に並べると、
1.無限責任社員
2.直接有限責任社員
3.間接有限責任社員
ということになります。
(もちろん、辛いばかりではなく無限責任社員は制限なく利益配当を受けられるといった側面もあります)

ではもう一度各会社の社員の責任をみてみるとこんな感じです。
合同会社:間接有限責任社員
合資会社:無限責任社員
合名会社:無限責任社員+直接有限責任社員

持分会社は設立や加入するときに必ずいくらか出資が必要です。
これを持分と言ったりして、これを社員間や第三者に譲渡することが可能です。
ではこの持分譲渡についてみていきます。

持分譲渡にはどんな手続きが必要?

各社員が持分を譲渡場合、原則として他の社員全員の同意が必要です。
社員全員とは、なかなか厳しい感じもしますが、例えばですが、こんなことがあったとします。
(合資会社)
A:無限責任
B:無限責任
C:無限責任
Cは多額の資産を保有しており、履行能力最強クラスです。
このCが突然「Dに持分譲渡して退社しようと思うんだ」とDを連れてきました。
しかし調べてみると、このDはほぼ無一文でした。
AとBはどう思うでしょうか?自分がAやBの立場だったら全力で反対しますよね。
だって、何かあったときに債権者から無限に責任を負う仲間はある程度履行能力がないと心許ないから。。
なので、持分譲渡する場合は、原則「他の社員全員の同意が必要」です。
そしてこの同意があったことを証する書類(同意書)を法務局に提出しないと変更登記も受け付けてもらえません。

例外

これには合同会社に限って例外があります。
業務を執行しない有限責任社員が持分を譲渡する場合には
業務執行社員の同意でOKとなっています。
業務も執行しないしね、有限責任社員だしね、
他の社員にあまり影響ないかなってことです。

持分譲渡の登記申請

持分を譲渡して履行金額が変わったり、社員が加入退社した場合には登記申請が必要です。
行った変更内容に応じた添付書類(同意書など)をつけます。
登録免許税は殆どの会社が1万円です。
資本金が1億円以下:1万円
資本金が1億円を超える場合:3万円

今日はあまり馴染みのない持分会社とは?持分譲渡手続きとは?
についてまとめてみました。
ご依頼はふくおか司法書士法人までお問合せください。

わたしたちは皆様のお困りごとを解決する
福岡の司法書士事務所です。

ふくおか司法書士法人では、不動産登記、商業登記、債務整理、後見業務などに専門のスタッフを配置し、依頼者のためにふくおか司法書士法人で対応しうる限りの支えになることを心がけております。
また、より高い専門性を生み出すために弁護士、税理士、社会保険労務士等の他士業の先生方とも協力し合いながらワンストップで業務にあたっています。
事務所設立時の「誰かの支えになりたい」「目に映る困っている人の力になりたい」という想いは、今も変わらずわたしたちの強い原動力となっています。

一覧に戻る

ピックアップコンテンツPickup contents

当事務所が運営している専門サイトや
おすすめコンテンツをご紹介

相続・遺言
《無料相談》実施中!

https://www.fukuoka-shihousyoshi.jp/souzoku

暮らしに役立つ
法律メルマガ

https://mi-g.jp/mig/registration

福岡で不動産事業を
始めたい方へ

https://www.fukuoka-shihousyoshi.jp/estate

福岡自己破産
無料相談室

http://fukuoka-jikohasan.net/

福岡債務整理
無料相談室

http://fukuoka-saimuseiri.net/

福岡個人再生
無料相談室

http://fukuoka-kojinsaisei.net/

出版物紹介

https://www.amazon.co.jp

ふくおか司法書士法人では、不動産登記、商業登記、過払い請求・個人再生・自己破産・任意整理・時効援用などの債務整理、相続・遺言、成年後見、債権回収 交通事故などについての手続き全般を行っております。それぞれの業務に専門スタッフを配置し、依頼者のためにふくおか司法書士法人で対応しうる限りの支えになることを心がけております。また、より高い専門性を生み出すために弁護士、税理士、社会保険労務士等の他士業の先生方とのネットワークを駆使し、ワンストップで対応。ふくおか司法書士法人を選んでご来所いただいたお客様に、満足して、笑顔で帰っていただくために、私たちはどんな苦労も惜しみません。

初回相談費用無料

LINEでのご相談はこちら