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外国人の「通称」のみで定款作成は可能?

2024.03.08

外国人住民の方が日本で暮らす上で、日本式の名前を通称として利用していることがあります。
この通称は役所に届出ることによって正式に登録され、
住民票や印鑑証明書、マイナンバーカードにも記載されることになります。

今日はこの通称が登記申請時にどの程度利用できるのか?についてまとめてみました。

通称で定款作成は可能?

通称のみで定款作成ができるかどうかは、
結論から書くと結構びっくりなんですが、
認証する公証役場(公証人)によって、できたりできなかったりします。
さらに同じ公証役場でも、以前までよかったのに急にダメと言われることもあります。

私が感じていることですが、公証人は結構独自の裁量と感覚を持ち合わせていて、
同じ定款を出しても「いいよ~」と言う公証人の方と「全然だめだよ!!」と言う方がいたりもします。
これは、公証役場をよく利用している司法書士にとってはそんなに驚かない事実です。

そして通称のみで定款作成できるかどうかについても、公証役場(公証人)によって異なります。

どんな風に記載されるかというと、例えば印鑑証明書にこのように記載されていたとします。
氏名:OH RUOXI  王 若汐
通称:山田 花子

この王さんが取締役に就任した場合、
【取締役 山田花子】
でいいよーと言われる場合もあれば、
【取締役 王 若汐(山田花子)】
と記載してください。と言われる場合もあります。

なので、どうしても定款に山田花子のみ記載したい場合には、
これでOKと言ってくれる公証人を探す必要がありそうです。

ただし、会社設立時の定款認証は会社の本店所在地を管轄する法務局又は地方法務局に所属する公証人しかできないため、
いくらOKと言ってくれる公証人を探し当てても、
県外の公証人とかにお願いすることはできません。

どんな場合に定款に名前が載る?

因みに、どんな場合に定款に名前が載るかというと
・会社の取締役や監査役などの役員に就任した場合
・会社に出資して発起人になった場合
です。

どちらか一方のみでも定款に名前が載ることになります。

役所に届出している通称名のみ使用可能

当たり前ですが、勝手に名乗ってるだけの「自称」は定款作成で使用することができません
冒頭にも書きましたが、
役所に届出ることで住民票や印鑑証明書に通称が記載されます。
その確認書類を提出して定款作成などの手続きを進めるので、
書類に記載されない「自称」は使用できません。

通称のみで登記は可能?

結論から書くと、通称のみで登記申請は可能です。
定款とは異なり、登記申請は通称のみで登記することができるんです。

じゃあどんな場合に名前が登記されるかというと、主に2パターンあります。
①不動産を購入して所有者になった場合
②会社の取締役などの役員に就任した場合

登記をする際、確認書類として住民票や印鑑証明書を提出します。
なので、役所に届けていて住民票や印鑑証明書に記載される通称名であれば登記することができます。
逆に、本名であってもアルファベットで登記をすることはできません。

アルファベットで登記はできない

不動産を購入して所有者になった場合も、取締役などの役員に就任した場合も
アルファベット表記で登記することはできません。

なので、印鑑証明書に記載されている氏名がアルファベット表記のみの場合は
その読み方をカタカナで登記します。
例えば
Sophia⇒ソフィア
Olivia⇒オリビア
とかでしょうか。

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