名義貸しとは?債務整理手続きに与える影響は?
2022.07.31
債務整理の面談時にこんな話を聞くことがあります。
「身内がお金に困っていて、その身内の代わりにお金を借りたんです、、」
お世話になっていた人が困っていて、
頼まれて断れなくて、よかれと思ってやったこと。。
それぞれの事情があり、お世話になった人だから
という気持ちはすごく分かります。
しかし、「代わりにお金を借りてあげた」というのは、
場合によっては名義貸しといって違法な行為となり刑事罰を科されることだったあるんです。
「知らなかった、よかれと思って」では済まされなくなってしまったり、
債務整理手続きにおいて不利な状況になってしま可能性がかなり高くなります。
今日はそんな「名義貸し」についてまとめてみました。
名義貸しとは?何がいけないの?
名義貸しとは、自分の名義を他人に貸す行為のことです。
具体的にはこんな感じです。
①Bはお金に困って借り入れを検討しましたが、
信用情報に登録されているため、借り入れすることができませでした。
そこでBはAに「代わりにお金を借りてくれないか?」とお願いしました。
②Aはこれまでお世話になっていたBを何とか助けたいと思いました。
Aに余裕があれば直接AがBにお金を貸すことができるのですが、そんな余裕はありません。
そこでAはXから借り入れをしてそのお金をBに貸すことにしました。
AはXから借入をするとき、Bのことが何も言わず
A自身が借入するものとして契約をしました。
その後、AはXに毎月返済し、その分をBがAに返済しました。
さて、これが名義貸しに至る一例です。
この中で何が問題かというと、
「A自身が借入するものとして契約をしました。」ここです。
この契約をXの立場からみてみるとどうでしょうか?
Xは「Aだったら返済能力もありそうだし、お金を貸しても安心だな。Aにお金を貸そう」と思って契約をするのです。
実際、Xはお金を貸すときの調査はAに対してのみします。
しかし実際お金を借りるのも使うのも返済するのもBです。
これって、AはXをだましていると思いませんか?
場合によっては詐欺罪や幇助犯(犯罪行為を助けること)になるんです。
そして今回、債務整理手続きしている司法書士事務所としてお伝えしたいのは
債務整理手続きにおいて不利な状況になる可能性がすごく高くなるんです。
ということです。
管財事件になる可能性
先ほどの事例には続きがあります。
Aも多額の借入があり、自己破産手続きすることになりました。
このときに問題になるのが名義貸しです。
自己破産の申し立てをする司法書から必ず聞かれます。
「Xさんからの借り入れはどういった理由ですか?何に使いましたか?」と。
これを自己破産の申立時に裁判所に提出をすることになり、
通帳などでお金の出入や経緯書などで矛盾がないかをしっかり調べます。
なので、「名義貸しやばい」と思ってその場しのぎの嘘をついてもすぐにばれてしまいます。
結果、「名義貸しをしてしまいました」と裁判所に申し立てることになります。
これによって債務整理手続きにどんな影響があるかというと、
この名義貸しというのは免責不許可事由に該当する可能性があるとみられて
管財事件になってしまう可能性がかなり高くなってしまうのです。
管財事件とは、自己破産を申し立てた者に対して、
一定期間、管財人と呼ばれる弁護士の先生がついて財産管理やそもそも自己破産を認めても問題ないか?などの判断をする期間が設けられます。
こうなると、自己破産が認められるまでの期間も1年程度はかかってしまいますし、
管財費用20万円もかかります。
もちろん、名義貸しの事実がなくても最近では管財事件が増えているので、
あくまで可能性の話にはなります。
そもそも名義貸しは違法ですし、こうして自分の首を絞めることにもなります。
借金問題でお困りの方はふくおか司法書士法人までお問あわせください。
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