ペットローン支払い中に債務整理手続きをするとペットは回収される?
2022.08.04

日本の法律では残念ながらペットは「物」として扱われます。
例えば交通事故でペットがひかれてしまった場合、一般的に適用されるのは「器物損壊罪」です。
[刑法第261条]
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
ペットを飼っていない私でも「え?そんなものなの?」と目を疑ってしまいます。
ペットを実際に飼っている方にとっては「家族と同様」。そしてなにより1つの命です。
今日はそんなペットをローンで購入して、その支払い最中に債務整理手続きをした場合そのペットはどうなるの?
をまとめてみました。
ローンと個人再生手続・自己破産手続き
個人再生手続きや自己破産手続きをする場合によく問題になるのが「車」です。
ローンを組んで車を購入されている方は少なくないと思います。
まず、ローンを組むとは一体どういうことなのでしょうか?
ローンを組んでいるとはこういうこと
例えば、100万円の車をローンを組んで毎月5万円ずつ支払う契約で車を購入したとします。(とりあえず無利息と考えます)
すると、20回払いになりますね。
これを令和4年1月から支払いスタートすると、終わるのが令和5年8月になります。
一般的に、信販会社と契約してこのような形で車を購入すると、
支払いが終わるまでは車の所有権は信販会社になっていることが多いです。
これを「所有権留保」といったりして、全部支払い終わるまでは所有権を信販会社のもとに留めておきますよ。
という契約です。
では、この所有権が留保されている間に、個人再生や自己破産手続きをするとどうなるのでしょうか?
所有権留保中に債務整理手続きをするとどうなる?
所有権留保中ということは、正式には車は自分のものではないのです。
なので、この間に債務整理手続きをすると、原則、車は引き揚げられてしまいます。
※引き揚げを回避する方法はありますが、ここでは割愛します。
まとめると、ローンを組んで車を購入すると、
所有権留保されることがある。
所有権留保されている間に個人再生や自己破産をすると、
車は回収されてしまう。
ということです。
では、この「車」が「ペット」だった場合、
車と同様にペットも回収されてしまうのでしょうか?
ペットも回収されるの?
ふくおか司法書士法人でも、ペットローン支払い中に債務整理手続きをした実績がありますが、
ペットを差し押さえられて回収されたケースはありません。
しかし、車と同様、ペットローンに所有権留保がついている場合には、
債権者は回収しようと思えばできる状況です。
あくまで任意で回収しないケースが多いというだけで
絶対回収されないというわけではありません。
なので、例えば金銭的な価値が高く、換金性が高いペットであれば回収される可能性もあるということです。
さらに間接的にな理由ですが、例えば自己破産をして引っ越しを余儀なくされて、
ペット不可の家しか借りれなかった場合、ペットを手放すしかなくなりますよね。
最後に
ペットショップにいくと、たくさんの可愛い動物たちがガラスケース越しにこちらを見つめてきます。
それは、うっとりして「かわいいな、おうちに連れて帰りたいな」という気持ちが生まれるのは当然だと断言してもいいくらい可愛いのです。
しかしペットを飼うというのは想像以上にお金がかかります。
購入する代金さえ一括で支払えないのに、余裕をもって毎月かかるお金を捻出できますか?
何かあったときの生活防衛費はきちんと確保できていますか?
そういったことを総合的に考えると、私は個人的にはペットローンはお勧めできません。
1つの命を預かるということはどういうことか?
しっかり考えて購入されてくださいね。
借金でお困りの方はふくおか司法書士法人までお問合せください。
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