コラムColumn

自己破産のこと誤解していませんか?

自己破産を案内したときの反応

債務整理のご相談の中で自己破産をしたほうがいいとご案内すると、なんだか大変なことになってしまったぞと今にも卒倒しそうなくらい青ざめてしまう方や、中には「俺を馬鹿にしているのか!」などと怒ってしまう方がおられます。こちらも決して安易にご案内しているわけではなく、おひとりおひとりのご状況に応じて、解決策のひとつとして丁寧なご説明を心がけていますが、もしかしたら当方のご説明の仕方にまだまだ改善点があるのかもしれません。その点については今後も精進してまいりたいところですが、それを差し引いても必要以上に大げさに捉えている方がいらっしゃいます。

根強い自己破産に対する誤解

自己破産は、悪いイメージが先行していますが、実は皆様が考えている以上にデメリットの少ない手続です。しかし、上記のように必要以上に大げさに捉えてしまう背景には自己破産に対する「誤解」があると考えられます。よくある誤解は以下のようなものです。

【誤解その1:近隣の方に知られてしまう?】

官報に破産の手続きをした日時と住所・氏名、手続きをした裁判所等が記載されますが、一般の人が官報を見る機会はほとんどないので、知られてしまう可能性は一般的には低いといえます。

【誤解その2:破産をすると戸籍に載ってしまう?選挙権がなくなる?】

破産しても戸籍には載りません。住民票にも載りません。選挙権・被選挙権も失いません。

例外として、免責不許可・またはそれに準じる場合にのみ、裁判所から市町村に通知がいき、本籍地の破産者台帳(一般に公開されることはありません)にその旨が記載され、「身分証明書(身元証明書)※」の発行時に参照されます。この「身分(身元)証明書」とは、特定の職業に就くときなどに提出を求められるもので、例えば都道府県知事の許可が必要な免許(宅建業や建築業など)の申請時や、会社設立時、警備員となる際などに必要とされる書類です。以前は、破産手続開始決定がでたら裁判所から市町村にその旨が通知されていましたが、現在では、単に破産手続開始決定を受けたのみでは通知せず、免責不許可・またはそれに準じる場合にのみ通知する取扱いになっていますので(平成16・11・30民三第113号最高裁民事局長通達)、ほとんどの自己破産者は一度も市町村の破産者台帳に記載されないということになります。

※後見の登記の通知を受けていないこと、破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていないことなどを証明する書類で、いわゆる免許証やパスポートなどの一般的な身分証明書のことではありません。

【誤解その3:会社を解雇される、就職できなくなる?】

自己破産手続を理由に解雇することは許されておりません。ただし、警備員、生命保険募集人、損害保険代理店、質屋、弁護士、会社役員などの職業には一定期間就けなくなります(手続きが完了すれば復権できます!あくまでも手続き中の一定期間だけです)。

【誤解その4:通帳やキャッシュカードを持てなくなる?】

ローンを組む、クレジットカードを作るといったことは一定期間出来なくなりますが、通帳やキャッシュカードは通常通り作ることが出来ます。

【誤解その5:賃貸アパートから出て行かなくてはならないの?】

自己破産の事実が大家さんに知られたとしても、家賃を滞納していない限り、そのことを理由により賃貸借契約を解除されることはありません。

【誤解その6:子供の就職や結婚に影響がある?】

親が自己破産したからといって、子供の就職や結婚になんら影響はありません。

【誤解その7:自己破産後に取得した給料を差し押さえられる?】

従来までは、破産手続開始決定が下りて、免責許可の決定を受けるまでの数ヶ月間、一定の給料が差押えられる可能性がありましたが、平成17年1月1日に改正された新破産法によって、強制執行は禁止となりましたので、破産手続開始決定以降に給料を差押えることは一切できなくなりました。

【誤解その8:自己破産したら年金や失業保険は受け取れなくなる?】

自己破産したからといって、「年金・失業保険」が差押えられたり、将来に向かって年金の支給額が減額されることもありません。

【誤解その9:自己破産すると家財道具や車を差し押さえられる?】

ローンが残っていない車については、原則として時価が20万円以下の場合には手放す必要はありません。車が差し押さえられるのは登録後5年以内・2500cc以上・外車の場合など、一部のケースです。

家財道具についても、一般的な生活用品や家電が差し押さえられることはありません。

【誤解その10:自己破産をすると家族に迷惑がかかる?】

家族が保証人になっていない限り、自己破産によって家族に影響が及ぶことはありません。また、家族が自身のクレジットカードを作れなくなったりすることもありません。

どうですか?自己破産に対するイメージが変わりましたか?

そもそも自己破産とは メリットとデメリット

自己破産とは、経済的に破たんして借金を返済することができなくなった人が、自ら破産の申し立てをすることです。自己破産手続は、裁判所が中心となって借金を抱えた人の自宅などの財産を債権者全員に公平に分配すると同時に、破産者の借金を事実上ゼロにして生活の再建の機会を与えるという、国が法律で認めた救済手段です。

【自己破産のメリット】
・すべての借金から解放されます(税金等は除く)

・保証人としての債務も支払いを免れます

・一定内の財産は保有できます

・借金がゼロになって今まで返済に回していたお金が全て生活のために使えます

・新しい人生をスタートすることができます

【自己破産のデメリット】
・信用情報に影響があり一定期間カードやローンが利用できません→再び多重債務に陥るリスクがなくなりますのでむしろメリットといえます

・当社ご案内の各種必要書類を期限内に準備し提出していただく必要があります(これは弁護士事務所でも同様です)

・すべての債権者(個人含む)をお手続きに含めなければなりません

・官報に掲載される

・一定期間、職業や資格に制限がかかります

・一定の財産を手放さなくてはなりません

・マイホームは原則売却されます→自宅を持っておらず賃貸にお住まいの方や、自宅を売却してもよい方、あるいは住宅ローンが払えず自宅を売却せざるを得ない方にとっては特段デメリットはないといえます

自己破産は借金の負担をなくし、新たな生活を始めるための救済制度です。

自己破産にペナルティ(罰則)はあるのか?

自己破産をするからといって、罰せられることはありません。

自己破産はいわゆる「精算」の手続きです。例えば50万円の財産があるけど、1000万円の借金が返済できない場合

①持ってる財産を手放す(裁判所に預けるイメージ)→50万円を裁判所に預ける

②裁判所が預かった財産を貸主(債権者)に平等に分ける→裁判所が50万円を貸主に配当する

③分けた後に残った借金(債務)を免除する→950万円の借金を免除する

という流れになります。

事務的に精算(財産・負債を0円に戻す)するだけですから、自己破産をしたからといってその後継続的に発生するペナルティはありません。

半年~1年くらいは手続きが色々ありますが、それが済めば普通の人と全く同じです。ただし、ルール通りに①~③をやらない人はペナルティ(刑事罰)の対象になります。

上の例で50万円ある財産を意図的に隠したりすると、免責されないだけでなく刑事罰の対象になってしまいます。

まとめ 自己破産で人生を再スタート

このように、自己破産をすることによるデメリットは、実はそう多くありません。

誤解されている方も多いようですが、自己破産は債務整理の方法として有効な手段の一つであり、一般に抱かれている悪いイメージではなくむしろ人生の再出発といえます。

間違っても「自己破産したら人生終わり」なんて言葉を信じてはいけません!むしろ人生を終わらせないために自己破産をするのです。

借金・住宅ローンでお困りの方は一人で悩まず一度ご相談下さい。

借金問題には非常に多くのケースがございます、自己破産以外の方法も含めて、あなたの状況と希望に合った解決策をご提案いたします。

 

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