コラムColumn

借金放置で訴状が届いたら今すぐ封筒を開けて中身を確認してください

2022.11.29

割と頻繁に「訴状が届いたのですが、どうしたらいいですか?今すぐそちらに相談にいきたいです。」
と慌てふためいてご相談に来られる方がいます。
慌てますよね。裁判所から「訴状」ですもん。

慌ててすぐに相談いただける場合はまだいいのですが、
訴状が届いたけど現実逃避して放置してて
意を決して封筒を開けてたら期日が数日後に迫っていました。。どうしたらいいですか?
みたいな方もいらっしゃいます。
分かります。見て見ぬふりをしたい気持ちはよく分かります。
しかし訴状を無視する行為は、百害あって一利なしです。
百害ですよ。
今すぐハサミを持ってきてまずは封筒を開けてみましょう。

封筒を開けたら確認すること

訴状は普通郵便ではなく、特別送達郵便で送られてきます。
ぱっと見で、何だかいつもと違うな、、
という雰囲気は伝わってくると思います。
開封すると「訴状」や「答弁書」などが入っています。
まず、確認することはこの4点です。

①答弁書の提出期限はいつになっているか?
②期日(裁判所に出廷する日)はいつになっているか?
③どこから訴えられてるのか(原告)?
④取引履歴(最終取引日)はいつか?
特に①②は重要で期限や期日が過ぎているとますます対応が難しくなってしまいます。

①答弁書の提出期限はいつになっているか?

答弁書とははざっくり説明すると自分の言い分を記載する書類です。
その借金を認めるか?分割支払いを希望するか?などを記載していきます。
この答弁書に「分割支払いを希望する」と記載して提出することで債権者と交渉していく流れになります。
この答弁書提出期限に間に合わなければ裁判所に出廷が必要になります。
「仕方ない、じゃあ行くか」と簡単に考えていたらとんでもない、
出廷が必要なのは自分の近所の裁判所とは限りません。
福岡にお住まいの方が東京や大阪の裁判所に行けるでしょうか?
ただでさえ借金の返済が滞っているのに厳しいですよね。
できる限りこの答弁書を提出して裁判所に出廷しなくて済むようにしたいところです。

②期日(裁判所に出廷する日)はいつになっているか?

答弁書の提出期限に間に合わなかった場合、裁判所への出廷が必要です。
これを無視してしまうととんでもないことになります。

③どこから訴えられてるのか(原告)?

原告のところに借金をした覚えのない会社名が記載されている場合がありますが、
これは元々お金を借りたところが債権譲渡などをして
債権回収会社が訴えてきている可能性があります。
なので、原告に心当たりがないからといって無視するのはやめましょう。

④取引履歴(最終取引日)はいつか?

これは時効になっている可能性もあるので、
最後に取引した日を念のため確認しておかれることをお勧めします。

訴状を無視するとどうなる?

答弁書も提出せず、裁判所にも出廷しなかった場合どうなるかというと、
債権者の主張を全て認めたことになります。

訴状にはだいたいこんな感じで記載れています。
「○○円を支払え」。
これを「分かりました!何も言うことはありません!」
と認めたことになるのです。

そもそも分割の支払いも厳しくて返済が滞ったのに一括は厳しいですよね。
なので、こうなる前に訴状が届いたらすぐに封筒を開けて中身を確認して、
ご自身で対応が難しければ司法書士や弁護士などの専門家に相談してください。

では、この答弁書や裁判の期日の中で分割支払いをお願いした場合、
応じてもらえるのでしょうか?

分割払いに応じてもらえるのか

殆どの債権者が分割払いに応じてくれます。(応じない業者も稀にいます)
ただ、取引期間や返済実績によって応じてくれる分割回数は変わってきます。

「え?応じてくれるの?」と驚かれる方が結構いらっしゃいますが、
債権者も一括の支払いはあまり期待していません。
とにかく期日までにきちんと対応することが分割払いへの第一歩です。

返済が滞ってからどのくらいで裁判される?

これも債権者によって異なります。
3~4か月で速攻裁判という債権者もいますし、
数年間何もしてこない債権者もいます。

裁判が確定してしまったらどうなるのか?

訴状を無視すると債権者の主張どおりの内容で判決がでてしまいます。
これを無視して一括返済に応じなかった場合、
債権者はこの判決をもとに差押をすることができます。

債権者に勤務先を知られている場合は給与も差押られます。
(給与の差押は保険料など控除後の4分の1を上限とします)
給与が差し押さえられるということは、会社に裁判所から連絡行きます。
とういことは、会社に借金がばれてしまいます。
別に気にしないよって方はいいですが、
やっぱりできれば知られたくないですよね。

時効の可能性

ここまで読んで、訴状を無視する行為は
百害あって一利なしということはお分かりいただけたかと思います。
しかし、めちゃめちゃ焦ってスマホを取り出して速攻で債権者に電話するのはやめましょう。
なぜなら、時効によってその借金を返済しなくていい可能性があるからです。

原則、最後の取引の日から5年間何も音沙汰がなければ
その借金は時効により消滅します。
しかし時効は「借金返しません!」と債権者に対して宣言(援用)しなければ効力を発揮しません。
宣言する前に勘違いして債権者に電話して「ちょっと待ってもらっていいですか、、」
などと言ってしまうと、時効の主張ができなくなってしまいます。
詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

なので、最近全く取引をしてなかったなという債権者から訴状が届いた場合は
急ぎながらも落ち着いて訴状に記載されている取引履歴などを確認してみましょう。

もし、5年経過していそうならご自身で債権者に連絡することはお勧めできません。
司法書士や弁護士に相談しましょう。

借金のことならふくおか司法書士法人まで

ここまで色々書きましたが、
ご自身で答弁書を作成したり、期日に裁判所に出向いたり、
時効の可能性を感じて援用をしてみたりするのは結構大変です。
何よりも、借金問題は少しの誤った対応で未来を大きく変えてしまうことがあります。
借金問題でお困りの方は専門家であるふくおか司法書士法人までお問合せください。

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