有限会社の監査役が辞任するときの登記申請に関する大落とし穴
2025.05.16

私がこの大落とし穴にはまったかどうかについては、
この場での発言は控えさせていただきますが、
有限会社の監査役が辞任をする場合「まさかそんなことを、、」と思うような手続きが必要です。
この手続きを忘れないよう、まとめてみました。
有限会社の監査役が辞任するときの手続き
まず、取締役で考えてみます。
取締役が辞任したい場合、辞任届を会社に提出して、
その辞任届を法務局に提出すれば取締役の辞任登記が完了します。
では、同じように監査役で考えてみます。
監査役が辞任したい場合、辞任届を会社に提出して、
その辞任届を法務局に提出すれば監査役の辞任登記が完了します。
、、、しますか?本当に?
実は、登記完了しないんですよね。
これが本日の大落とし穴です。
定款変更が必要
辞任届以外に何が必要かというと、株主総会議事録(+株主リスト)が必要です。
「は?どこから株主総会出てきた?」って感じですよね。
実はこういうからくりがあるんです。
監査役を置いている会社の場合、
定款で「監査役を置く旨の規定」が定められています。
なので、この「監査役を置く旨の規定」を廃止しないと、監査役の辞任登記もできないんですよね。
で、この定款の監査役を置く旨の規定の廃止をするためには、
株主総会の特別決議が必要です。
なので、株主総会の特別決議を経て定款の規定を廃止したことを証明するために、
法務局へ株主総会議事録(+株主リスト)の提出が必要になるのです。
監査役が辞任しただけなのに、
株主総会を開いて、株主総会議事録を法務局に提出しないといけないとは、
まあまあな落とし穴ですよね。
ここまでだと「まあまあな」落とし穴です。
今回のコラムは「大落とし穴」です。
そしてこの大落とし穴は「有限会社」に限ったことです。
有限会社限定の大落とし穴とは一体どういうことなのでしょうか。
有限会社と株式会社の登記事項の違い
株式会社だと監査役がいる場合、こんな風に登記されます。
なので、監査役辞任の依頼をいただいて登記内容を確認したときにピントくるんですよね。
「あ、監査役設置会社の定め廃止が必要だな」と。
一方の有限会社は、監査役がいても、「監査役設置会社」と登記されません。
登記はされませんが、定款にはひっそりと「監査役を置く旨の規定」が書かれているのです。
なので「監査役設置会社の定めの廃止が必要だな」と気づきづらい。
気づかず辞任届だけ法務局に提出して補正がきてしまう、、
ということなんです。
有限会社の依頼も昔に比べると少しずつ減ってきているので、
ご依頼いただいたときは、漏れがないよう気を引き締めて対応したいですね。
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