所有権更正登記をすると抵当権はどうなる!?
2025.04.07

先日、結構頭を悩ませる登記申請がありました。
複数人であーでもない、こーでもないと検討して、
この度めでたく登記が完了したので、
この日のことを二度と忘れないように書き残します。
事例
ある日、福岡太郎の名義で建物保存登記をしました。
その際、ふくおかあ銀行から借り入れをしたので、抵当権設定登記も同時にしています。
この時点で登記はこんな感じですね。
その後、福岡太郎は気づきました。
「違う!そうじゃない!所有権保存は妻福岡花子と共有名義にしたかったんだ!!」
この場合どうするかというと、
所有者を福岡太郎⇒福岡太郎,福岡花子にする所有権更正登記をします。
「単有から共有に更正」とか言ったりしますね。
ここまではそんなに珍しい話ではなく、
司法書士であれば全く問題なく、すらすらと手続きを進めることができるはずです。
ところが司法書士Xは気づきました。
「違う!そうじゃない!抵当権ついとるやん!!」
そうです、この不動産には抵当権がついてるんですよね。
ここで色々調べてみても、
共有から単有に更正登記をした場合の抵当権の変更登記については割とよく出てくるのですが、
単有から共有に更正登記をした場合に抵当権をどうしたらいいのか、
なかなか「これだ!」という文献が出てきません。
この抵当権はどうなるのでしょうか。
どうしたらいいのでしょうか。
所有者を単有から共有にした場合の抵当権はこうなる
結論からお伝えすると、
所有者を単有から共有にした場合、
抵当権は職権によって持分抵当権に縮減されます。
今回の事例だと、
抵当権設定が福岡太郎持分抵当権設定になります。
こんな感じです。
不動産全体についていた抵当権が、
所有権を更正したことによって、
元々所有していた福岡太郎の持分のみについている抵当権に縮減されていますね。
こうなってしまうので、所有権更正登記をするときに金融機関の承諾書が必要なんですね。
こうなると困るのは金融機関ふくおかあ銀行です。
ふくおかあ銀行としては、当初の予定どおり抵当権を不動産全体に及ぼしたいはずです。
そうなると、どのような登記が必要になるのでしょうか。
持分抵当権設定登記が必要
何となく、「及ぼす変更登記が必要?」と思ってしまいますが、
今回は共有から単有になっているのではなく、
単有から共有になっているため、及ぼす変更登記ではありません。
この場合にしなければならない登記が
「福岡花子持分抵当権設定(追加)」登記です。
こうすることによって、不動産全体に抵当権を設定したことになります。
登記はこんな感じになります。
これでめでたく所有権更正と金融機関の納得のいく抵当権になりました。
不動産登記はふくおか司法書士法人へ
今回は、所有権更正登記とその後の抵当権についてご紹介しまいた。
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