「検索用情報の申出」始まります
2025.04.11

「検索用情報の申出」。
不動産登記の世界に聞きなれない言葉が登場しました。
これは令和7年4月21日から新たに始まる制度で、
私なりに簡単に説明すると、「住所変更登記を国にしてもらうための登録」です。
国がしてくれるとは何だかお得な気がしますが、
一体どんな制度なのでしょうか。
概要についてまとめてみました。
検索用情報の申出とは
検索用情報の申出は、令和8年4月1日から始まる不動産の住所等変更登記の義務化に伴い始まる制度です。
これまで義務ではなかった不動産の住所等変更登記ですが、
この住所等変更登記をする場合、不動産1筆につき1000円の登録免許税がかかるし、
司法書士に依頼すると報酬がかかります。
これが義務化になると、利用者の負担は増えてしまいます。
なので「事前に検索用情報の申出をしてくれて人は、こっちで住所等変更登記をやっとくから申し出てね~」
という制度になります。
ではこの事前に申し出る検索用情報とは具体的にどのようなものか見ていきます。
どんなときに申出るの?
申出るタイミングは2パターンあります。
①新たに所有権登記名義人になるときに同時にする
②既に所有権登記名義人の人が後から申請する
①新たに所有権登記名義人になるときとは
以下4つのいずれかに該当する場合には、
同時に検索用情報の申出をすることができます。
1)所有権保存登記
2)所有権移転登記
3)合体による登記等
4)所有権更正登記で新たに所有権登記名義人になる場合
ただし、以下の場合は申出はできません。
・法人
・海外居住者
・登記の申請人以外の者
例えば、相続登記では持分1/2ずつでAとBの名義にする場合、
Aのみを申請人として所有権移転登記をすることができます。
この場合、Aは検索用情報の申出ができますが、
申請人ではないBは検索用情報の申出ができないということになります。
②既に所有権登記名義人の人が後から申請する場合とは
令和7年4月21日時点で既に所有権の登記名義人である人は、
登記申請とは別に、検索用情報の申出をすることができます。
なので、例えば現在所有権登記名義人になっている人が、
引っ越したので住所変更登記をする場合、
その登記申請とは別で検索用情報の申出をしなければいけないということになります。
ここまで申出るタイミング2パターンをご紹介しましたが、
ここからは一先ず利用することが多そうな
①新たに所有権登記名義人になるときについて詳しくご紹介していきます。
何を申し出るの?
では、実際どんな情報を申し出るかというと、
以下5つの情報になります。
①氏名
②氏名の振り仮名(日本の国籍を有しない者にあっては、氏名の表音をローマ字で表示したもの)
③住所
④生年月日
⑤メールアドレス
⑤のメールアドレスが重要で、
なぜかというと、このメールアドレスは
いざ登記官が職権で住所等変更登記を行う際に、
「こっちで住所変更登記するけどやってもいい?」と確認するためのものだからです。
登録したメールアドレスに確認メールが届くということは、
本人だけがきちんと確認できるメールアドレスを登録しておかないといけないということですね。
「メールアドレスとか持ってないよ!!」
という人は、その旨を申出ることで「こっちで住所変更登記するけどやってもいい?」
の確認は、登記名義人の住所に書面が送られてくるのでご安心ください。
そして当然ですが、検索用情報の申出なので、
登録したメールアドレスや生年月日などが登記されるわけではないのでその点もご安心ください。
申出が完了するとどうなるの?
申出手続きが完了すると、登録したメールアドレス宛てに以下のような内容のメールが届きます。
①申出手続が完了した旨
②立件の年月日及び立件番号
③不動産番号
④認証キー
※登録したメールアドレスを変更する際に必要となる10桁の番号、記号その他の符号らしいです。
⑤申出を受けた登記所の表示
不動産ごとに申出が必要?
不動産ごとに申出が必要です。
例えば、甲不動産の所有権登記名義人になるときに申出をしていても、
その後、乙不動産の所有権登記名義人になるときには改めて申出が必要です。
さらに、所有権登記名義人になる場合に申出をする際に、
「他に所有している不動産も一緒に、、」ということはできないようです。
例えば、甲不動産の所有権登記名義人になるときに申出をする際に、
元々持っている乙不動産の申出も一緒にする、ということはできません。
不動産登記はふくおか司法書士法人へ
今日は令和7年4月21日から始まる「検索用情報の申出」についてご紹介しました。
今までそんなこと聞かれなかったのに司法書士から突然
「メールアドレス教えてください」とお願いされるかと思いますので、
そのときは「あ~あれのことね!」とご協力いただけると助かります。
不動産登記でお困りの方はふくおか司法書士法人へお問合せください。
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