コラムColumn

DV等支援対象者の不動産登記について

2022.07.11

本当に許せないことなのですが、
DVや児童虐待は無くなることはなく、
いつの時代にも苦しんでいる被害者の方がいらっしゃいます。

そんな被害者の方の支援の一環として「DV支援措置」という制度があります。

DV支援措置

総務省のHPにはその内容としてこんな風に記載されています。

【引用】
配偶者からの暴力(DV)、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者(以下「DV等被害者」といいます。)の方については、市区町村に対して住民基本台帳事務におけるDV等支援措置(以下「DV等支援措置」といいます。)を申し出て、「DV等支援対象者」となることにより、加害者からの「住民基本台帳の一部の写しの閲覧」、「住民票(除票を含む)の写し等の交付」、「戸籍の附票(除票を含む)の写しの交付」の請求・申出があっても、これを制限する(拒否する)措置が講じられます。

DV被害者にとって、加害者に自分の居場所を知られるということは命に係わる非常に危険な問題です。
なので、住所などを容易に知られないよう住民票等の交付請求に対して拒否することができるというのがこのDV支援措置の概要です。

では、このDV支援措置を受けている方が不動産登記手続きをするときに
どんな問題がでてくるのでしょうか?

不動産の登記内容

不動産登記は不動産を取得した所有権者の方の住所と名前が登記されます。
そしてこの不動産の登記情報は一般に公開されており、
誰でも数百円の手数料を支払えば閲覧することができます。

先にも書きましたが、DV被害者の方は加害者に住所を知られると危険です。
しかし一方で、不動産を取得すると住所と名前が登記されて一般に公開されてしまうという不動産登記制度があるのも事実です。
この矛盾点が問題になる事例として次のようなことが考えられます。

事例

夫:A
妻:B

2人で自宅を購入し、共有名義になっている不動産があります。
この場合、不動産登記情報にはこんなかんじで登記されます。

共有者
福岡市○○×× 持分2分の1A
福岡市○○×× 持分2分の1B

その後妻Bは夫AからDV被害にあい、夫から逃げて住所を変更し、夫に住所を知られないようにするためにDV被害支援措置を受けました。
これにより、夫Aが妻Bの住所を調べようとして住民票などの交付請求をしても役所は拒否することができます。

さて、妻Bは弁護士を代理人として自宅を売却する話を進めました。
通常通り手続きを進めると、不動産を売却するためには次のような登記が必要になります。
1.妻Bの新しい住所への住所変更登記
2.所有権移転登記

問題は1の妻Bの新しい住所への住所変更登記です。
せっかく支援措置を受けて夫に住所を知られないようにしていたのに、
この住所変更登記をしてしまうと、こんなかんじで妻Bの新しい住所が登記されてしまいます。

共有者妻Bの住所 福岡市▲▲××(←新しい住所)

そしてこの登記は一般に公開されるため、夫Aが妻Bの新しい住所を容易に知ことができてしまいます。
これではDV支援措置が絵に描いた餅になってしまいます。

支援措置を受けている方の不動産登記手続き

結論からお伝えすると、
支援措置を受けている方が住所変更している場合は
住所変更登記をせずに所有権移転登記ができるという扱になっています。

なので、妻Bの新しい住所は登記されません。
住所変更の登記はしませんが、
住所変更しているけれど支援を受けているために住所変更登記をしないんですよー
ということを法務局に分かってもらうために以下の書類の提出が必要です。
・住所変更されたことが分かる住民票など
・支援決定通知書

登記申請は専門家へ

登記申請には様々なパターンがあります。
もし、今回のような取扱いを知らずに誤って住所変更登記をしてしまったら、取返しがつきません。
登記申請のお手続きは専門家であるふくおか司法書士法人までお問合せください。

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福岡の司法書士事務所です。

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