コラムColumn

会社設立時に求められる「実質的支配者に関する申告」について

2019.01.22

会社設立時に実質的支配者となるべきものの申告が必要となります。

 平成30年11月30日付けの改正で会社設立のための公証役場での定款認証手続きに新たに必要となった書類があります。

「実質的支配者となるべき者の申告書」です。

こういうとき、登記を扱う現場はピリッとしますね。

普段は不動産登記ばかりで久々の会社設立だ、という司法書士は油断禁物ですよ。

 改正を知らずに、定款認証出来ない、なんて事態があったら脂汗もんです。

会社設立の日程は、お客様にとってとても大切な記念日になる日です。それを登記の専門家である司法書士のミスによって遅らせてしまう、なんてことは許されません。

 そもそも何のための改正なのか?

答えはずばり、反社会勢力による法人の不正使用を抑止するため。

司法書士にとっても、自分が設立に関わった会社が詐欺に使われた、なんてことがあったら非常に辛いですよね。こういう改正はそのための手間が増えたとしても喜んで受け入れるべきだと思います。

実質的支配者に関する確認は金融機関ではすでに法人との取引の際の確認事項として浸透していますね。

またその確認が必要となった平成28年10月に商業登記規則の改正により、設立時だけでなく登記すべき事項に株主総会の決議を要する際には「株主リスト」の添付が必要となりました。

株主の確認は実質的支配者の確認となりますので、今回の改正に繋がっていた、ということなんですね。

ますます司法書士としての職責の重さを感じます。

 実質的支配者とは何か?

 実質的支配者とは法人の事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にある個人をいいます。

 具体的には、「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則11条2項」で定義されています。

 株式会社では、

 ①株式の50%を超える株式を保有する個人、そのような者がいない場合には、

 ②25%を超える株式を保有する個人、そのような者もいない場合には、

 ③事業活動に支配的な影響力を有する個人、そのような者もいない場合には、④代表取締役が該当することとなります。

一般社団法人、一般財団法人では、

 ㋐事業活動に支配的な影響力を有する個人、そのような者がいない場合には、

 ㋑代表理事が該当することとなります。

 設立の際に、この実質的支配者に当たる者が暴力団員や国際テロリストに当たらない者であることを嘱託人が公証人に対し、申告をすることになります。

手続きの流れとしてはどう変わるのか?

 今までは、定款案を公証役場に事前に確認してもらい、公証役場からのオーケーが出たら、それを公証役場に持ち込んで認証を受ける、という流れでした。

 今後はこれが、定款案の確認の際に、実質的支配者の申告書と本人確認書面として実質的支配者の運転免許証の写し等を併せて送信することになります。

 ちなみに、私は申告書に電子署名をしてメールで公証役場に送信していますが、申告書は認め印を押してファックス送信でも大丈夫です。

 嘱託人のフリガナもどこかに分かるように記載します。

 実質的支配者の申告書に、実質的支配者の判断資料を選択する箇所がありますが、あくまで実質的支配者の判断資料であるため、定款を選択することになります。

 この定款案の擦り合わせで公証役場からのオーケーが出たら、実際に認証の嘱託に移ります。

認証の際には、委任状に、「申告受理及び認証証明書の申請及び同証明書の受領に関する一切の権限」という文言を入れておくと、認証完了後に「申告受理及び認証証明書」という書類が無料で発行されます。

 手続き簡素化という流れに反するこの改正に何が求められているのか?

昨今、あらゆる方面での事務手続きは迅速化や簡素化が求められています。商業登記手続きも例外ではありません。

確かに、登記手続きは、以前に比べて簡素化した面が多くあります。司法書士歴10年の私でさえ、合格当初の実務の手間の多さを懐かしむほどです。

しかし、「株主リスト」の添付や認証時の公証人の「実質的支配者となるべき者の確認」は時代の流れに反しているように見えますが、それだけ必要な改正であった、と理解しています。

登記を専門とする司法書士にとって、この改正が反社会的勢力からの法人不正利用の抑制に繋がり、商業登記制度の信頼が高まることは非常に喜ばしいことです。

 

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