相続人がいない。その方の財産の行先は?
2018.06.17
相続人がいない!その財産の行方は?
昨今、日本においては核家族化・少子高齢化が進行。
相続が発生したけれども相続人がいないというケースが稀ではなくなっています。
ある人が死亡して多額の財産があるけれども相続人がいない場合、
この財産はどうなるのでしょうか?
民法951条
相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人とする。
※「相続人のあることが明らかでないとき」には、
戸籍上相続人となるべき者が存在しない場合、
戸籍上の相続人全員が相続欠格・廃除・相続放棄によって
相続資格を喪失している場合を含みます。
相続財産を法人とすることで権利義務の帰属主体を創設し、
相続財産をめぐる法律関係を処理することとしたものです。
そして、この法律関係を処理するために、相続財産管理人が選任されます。
民法952条1項
前条(951条)の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、
相続財産管理人を選任しなければならない。
この相続財産管理人により、相続財産の管理清算業務が開始します。
相続財産管理人による管理清算手続の流れ
①家庭裁判所は相続財産管理人を選任した旨の公告をしなければならない。
↓
②上記①の公告後2カ月経過しても相続人が不明の場合、
相続財産管理人はすべての相続債権者及び受遺者に対し、
2カ月以内に請求の申出をすべき旨の公告をしなければならない。
↓
③上記②の公告後2カ月経過しても、なお相続人が不明の場合、
家庭裁判所は、相続財産管理人又は検察官の請求により、
相続人があるならば、6カ月以内にその権利を主張すべき旨の公告を
しなければならない。
↓
④上記③の公告後6カ月を経過しても、相続人としての権利を主張する者がなく、
かつ、公告後6カ月経過後から3カ月以内に特別縁故者から請求があった場合において、
家庭裁判所が相当と認めるときは、その特別縁故者に相続財産を分与することができる。
↓
⑤上記④の特別縁故者からの請求がなく、又は特別縁故者からの請求があったが
家庭裁判所がその請求を却下した場合、その相続財産は国庫に帰属する。
以上のとおり、相続人がいない相続財産は最終的には国のものになります。
そして相続財産管理人が選任されてから、相続財産が国庫に帰属するまで
最低でも、13カ月以上の期間を要します。
相続財産はあるけど、ご自身が亡くなった場合に相続人がいない。
しかし、その相続財産が国のものになるのは納得がいかない。
そのような方は、信頼できる人やお世話になった方などに、
遺言により財産を譲り渡す(遺贈)という方法があります。
遺言(遺贈)のことについては、またの機会に触れたいと思います。
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