コラムColumn

債務整理のご相談時、結構な頻度で「絶対に家族にばれたくないんです！！」
というご相談をいただきます。

気持ちは分からなくはないですし、
それぞれ家庭のご事情があるのだと考えると、
「そんなの無理ですよ」とないがしろにできない問題です。

どう思いますか？
家族にばれずに債務整理をする方法はあるのでしょうか。

絶対にばれない手続きなんてない

いきなりショッキングな結論を書きますが、
【絶対に】家族にばれない債務整理手続きなんてありません。
これは何をするにも当てはまりますが、絶対を断言することは難しいです。
やはり少しでも可能性がある以上、「絶対にばれませんよ」とは言えないんです。

しかし結構な確率でばれない手続きはあります。
それは「任意整理」です。
では、任意整理とはどんな手続きで、他の手続きと何が違うのでしょうか。

３つの債務整理

債務整理の方法は大きく分けて３つあります。
すごくざっくり説明するとこんな感じです。
①自己破産：裁判所を通して借金をチャラにする手続き
②個人再生：裁判所を通して借金を圧縮（だいたい5分の１くらい）にする手続き
③任意整理：裁判所を通さず、業者と任意で分割払いや将来利息カットなどの交渉をする手続き

ばれるかばれないかの大きな分かれ目は「裁判所を通すか通さないか」です。
裁判所を通す①自己破産や②個人再生手続きだと家族にばれる可能性がぐっと上がりますし、
逆に裁判所を通さない③任意整理手続きだと家族にばれる可能性はぐっと下がります。

では、なぜ裁判所を通すか通さないかで大きな違いが出てくるのでしょうか。

裁判所を通すと家族にばれる！？

なぜ自己破産や個人再生のように裁判所を通す手続きは家族にばれる可能性があがるのでしょうか。
その理由はいくつかあります。
・提出書類が決められていて家族の協力が必要
・認められるまでに時間がかかるし手続きが煩雑

まず、裁判所を通す手続きでは提出しなければならない書類が沢山あります。
例えば給与明細や役所で取得する所得証明書などは配偶者の分も提出が必要です。
所得証明は同居の家族だとしても委任状や委任者の本人確認書類が必要とされています。
給与明細はどうでしょうか？こっそり入手しますか？
いつも給与明細をもらっているから不自然ではないということもありますが、
その罪悪感は一生ついてまわります。

一方の任意整理手続きは、業者と任意に交渉するため、
業者によって家計表の提出など求められることはありますが、
自己破産手続きなどに比べると断然提出書類は少ないです。

また、認められるまでにかかる時間も違います。
自己破産や個人再生は年単位で準備をして申立、それから認可されるまでも数か月を要します。
この間に何かの手違いで書類が見つかってしまったりとリスクは高まります。

それでは家族にばれる可能性が低い任意整理ですが、
どのような場合に家族にばれてしまうのでしょうか

任意整理でばれる可能性

任意整理をする場合も、家族にばれる可能性はあります。

・業者から書類が自宅に届いてしまったとき
・任意整理手続き後にローンが組めなかったりカードが作れなかったりしたとき

まず、弁護士や司法書士などの代理人を立てずに任意整理手続きをすると書類や連絡は全て債務者に直接きます。
日がな一日ポストを見張っているわけにはいきませんので
代理人を立てない場合はかなり厳しいと思います。

また、任意整理をすると信用情報に登録されるので、
その後ローンが組めなかったりカードが作れなかったりします。
折角、夢のマイホームを購入しようと思ったら
最後にローンが通らなくて家も買えないし家族にもばれてしまって変な感じになってしまった、、
ということにもなりかねません。

こういった理由から、任意整理手続きも絶対ばれないとは言い切れないんです。

ご家族に相談してください

家族にばれる・ばれないと話を進めてきましたが、
債務整理手続きをされる場合、家族に相談されることを強くおすすめします。
それには、手続きをスムーズにしていきたいという思いもありますが、
何よりも、債務整理をして新たな人生のスタートを切るときに、
罪悪感を抱えていてほしくないという思いがあります。

自分でうまく手続きのことを説明できない方などは
ご家族同伴での面談も受付ています。

借金問題でお困りの方はふくおか司法書士法人へご相談ください。