相続未了不動産がある自己破産の解決事例

【ご相談者】 40代女性
【借入原因】 引っ越し費用・生活費・健康食品など
【手続前】 クレジットやカードローンなどで約190万円
【手続後】 0円
親族の介護と夫との不仲で精神的に追い詰められていた依頼人。それまでもクレジットカードの利用がありつつも収入の範囲内でやりくりをしていました。
しかし、子どもたちの独立後に夫と別居を始めたことをきっかけに返済不能に陥りました。ご依頼から完了まで約3年もかかりましたが、その原因のひとつに相続未了財産があったことがあげられます。
相続未了財産とは、相続発生後に適切な遺産分割や相続放棄などの措置をとらずに放っておいている財産のことで、そのような場合には、その相続財産は法定相続人らが共有していることになります。
今回の依頼人は、亡父名義の実家不動産について相続手続きをしないままでした。そのため、その実家には母と姉だけが住んでおりましたが、法的には母と姉と依頼人の3人で共有している状態でした。
そのような状態で自己破産の申立をしましたので、管財事件として進行することなり、さらには当該不動産の持ち分相当額(この場合約50万円でした)を債権者に分配するために納めなくてはならなくなりました。
すでに支払い不能に陥っている依頼者にとって約50万円もの金額を短期間に積み立てるのはもはや不可能であったため、姉の援助を得て50万円を納めそこから管財費用を差し引かれて残りを債権者に分配されて、免責決定がだされました。
このように、相続未了財産があると法定相続人に債務者が含まれる場合、ほかの法定相続人に思わぬ影響が及ぶことがあります。
参考コラム:相続登記と債務整理
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