【改正小ネタ】ついに!?隣地からはみ出した○○を切り取ることができるようになります!
2022.04.10

勉強とブログネタ探しで改正本を購入しました。
実務的に他に重要な改正について沢山かいてあったけど
目次をざっと読んでいて、真っ先に目についたのがこのネタでした。
重要な改正は追々紹介していきますね。
さて、このタイトルにある「○○」。
何だと思いますか?
隣地からはみ出してきて困っているものありませんか?
そうです、「枝」です。
実はこの隣地からはみ出した枝問題、
司法書士受験界では結構有名なネタで、
実際にこれまで何度か試験問題として出題されています。
なぜ有名かというと、
枝と一緒に登場する「根」との比較で
きちんと覚えておかないと
引っかけられてしまうからなのです。
民法改正により「枝」を切り取ることができるようになった
隣地からはみ出した「枝」を切ることができるようになりした。
とは言うものの、一般的な感覚からすると
「当たり前じゃん」って感じですよね。
私も最初この条文を知ったとき、
何だか納得できませんでした。
改正前民法233条
①隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
②隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
①は枝について書いています。
②は根について書いています。
後半部分に注目してください。
②の根は「切り取ることができる」とし、自ら切り取ることができます。
対する①の枝は「切除させることができる」とし、
あくまで相手に切除してもらうのであって、自ら切り取ることはできないのです。
根は切ってよくて枝は切ったらだめって、
何か納得できないですよね?
「むしろ枝の方が邪魔やん」みたな。
そこで、この民法233条が改正されました。
改正後民法233条
民法改正では改正前の原則は保ちつつ、
一定の要件のもと、①で定めている枝について、
自ら切り取ることができるとしています。
(②の枝は改正なしです)
自ら切り取ることができる3つのパターン
①「枝切って」ってお願いしてしばらく待ってたけど切ってくれない場合
この「枝切って」とお願いすることを「催告」といいます。
催告の方法は後々文句がつかないように書面でする方がいいです。
「しばらく待ってた」期間は2週間程度だそうです。
②そもそもその枝(竹木)の所有者がどこにいるか分からない場合
誰が所有者かわからないとか、
誰か分かってるけどその人がどこにいるか分からない場合です。
この分からないのレベルは個別の案件にもよりますが、
一般的にはその隣地の謄本を取得して所有者の住民票を確認してみる
などの最低限の調査は必要です。
めちゃめちゃ切羽詰まってるとき
この「めちゃめちゃ切羽詰まってるとき」を法律的に言い換えると
「急迫の事情があるとき」だそうです。
最近「大人の語彙力手帳」という本を読んだときに改めて思ったのですが
言葉って大事ですよね。
「めちゃめちゃ切羽つまってるんですよー」って言われるのと
「急迫の事情があります」って言われるのでは
やっぱり説得力が格段に違いますよね笑
この急迫の事情とは例えば
”台風などの災害で枝が折れて落ちてきそうで危険”とかです。
いちいち①催告とか②所有者を調べたりしてる時間ない!
ってことです。
この3つのいずれかに該当する場合は、
隣地からはみ出した枝を自ら切り取ることができるのです。
そもそも何で根はよくて枝はだめだったの?
その理由は、枝の切除は、竹木に影響を与えるため、
竹木の所有者の利益に配慮したと考えられています。
まとめ
今日はあまり実用的ではないネタでしたが、
身近な法律知識みたいなかんじで「へえー」と興味をもってもらえたらいいなと思い
ブロブにしてみました。
これからも司法書士を身近な存在として認識してもらえるよう
色んなネタを書いていきたいと思います(*^^*)
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