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登記的には辞任届に押印いらないけど、それはちょっとねって話

2026.06.10

例えばの話ですが、自分がとある会社の取締役だったとします。
取締役のつもりでいたところ、ひょんなことから登記情報を確認することになって、
見てみたら、取締役を辞任したことになっていた。
もちろん、辞任した覚えなんてありません。
なんてことはあり得ると思いますか?

あり得るんですよね。
登記的には。
実際争ったときにどうなるかは別の話としてですよ。

何でそんなことになるのかご紹介します。

役員が辞任するときの登記のルール

役員が辞任すると、登記申請が必要です。
この辞任の登記申請には一般的には辞任届が必要です。

株主総会で決議が必要で、議事録の添付も必要なこともありますが、
今日のコラムのメインテーマではないので、気になる方はこちらのコラムをご覧ください。

では法務局に提出する辞任届はどこまでのレベルのものが求められるかというと、
「記名でいいし、印鑑も不要だよ」なのです。
一般的な感覚からすると、記名でいい?印鑑も不要?そんなの辞任届として認められるの?
と思ってしまいますが、特に問題ありません。

実は辞任自体は、印鑑がいらないどころか、口頭で「辞任します」と伝える方法でもOKです。
理由は、取締役と会社の関係は会社法330条によって、
民法上の委任に関する規定に従うことになっていて(民法643条)、
この委任関係というのは、「当事者はいつでも解除OKだよ」というルールになっています(民法651条)。
解除方法についても特に定められていないので、「辞任の意思表示が会社に届けばOKだよね」という考え方になります。

なので、取締役を辞任したい人は「辞めたいです」と会社に意思表示さえすればOK
というのが法律上の一応の決まりになっています。

ただ、登記申請を審査する法務局は形式的審査主義をとっていて、
提出された資料に基づいて形式的な審査のみ行います。
例えば、「本当に辞任する気はあるんですか!?」といったことを
本人に電話して尋ねるといったことはできません。

なので、会社に「辞任します」と意思表示をしたことを証明する書類として、
辞任届の提出が必要なのです。

そしてこの辞任届は登記のルールとして、
平取締役であれば記名でもいいし、押印も不要となっています。

そうなると冒頭でご紹介したトラブルが起こる可能性は十分にありえます。
会社が勝手にワードで辞任届を作って、
印鑑を押さずに法務局に提出したら辞任の登記は成立するので、
本人が辞任したつもりはないのに登記から自分の名前が消えていた!!
ということは可能性としてあり得るということになるのです。

代表取締役

印鑑届をしている代表取締役の場合、そうはいきません。
なぜなら、印鑑届をしている代表取締役が辞任する場合の辞任届には、
「届出している会社の実印」又は「個人の実印+印鑑証明書」で押印が必要だからです。

一気にハードルが上がりますね。

因みに、登記上のルールでは記名でOK、押印不要となっていますが、
ふくおか司法書士法人では、登記後のトラブルに防止のため、
辞任届に署名押印をいただいています。

会社の登記はふくおか司法書士法人へ

今日は役員の辞任登記のルールについてご紹介しました。
今回のように、登記のルールと現場の取り扱いが異なるため、
疑問に感じられることはよくあります。

ふくおか司法書士法人では、依頼者の方の疑問を1つ1つ解決し、
登記申請までサポートします。
登記のご相談はふくおか司法書士法人までお問合せください。

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