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自筆証書遺言はやっぱり危険 ― “一見シンプル”な遺言が使えなかった事例 ―

2026.04.22

最近、実際にあったご相談です。

「自筆証書遺言があるので、その通りに登記をお願いします」 内容は一見シンプルでした。

「私の自宅をAとBに2分の1ずつ相続させる。 その他一切の財産はBへ相続させる。」

よくある書き方ですし、問題なさそうに見えますよね。

ところが

―― この遺言では、そのままでは相続登記ができませんでした

その理由

「自宅の範囲」 調査を進めると、「自宅の土地」が実は3筆に分かれていることが判明しました。

ここで問題が発生します。

* その3筆すべてが「自宅」に含まれるのか? *

それとも一部は「その他の財産」なのか?

遺言書にはそこまでの特定がありません。

⸻ ■ なぜ登記できないのか

今回の遺言は * 「自宅」 → AとBで2分の1ずつ * 「その他一切」 → B という構造です。

つまり、「自宅に含まれるかどうか」で Aが取得できるかどうかが変わってしまうのです。

しかし、役所にも調査・協力を依頼しましたが、

 3筆すべてが宅地かどうかの公的証明はなく、

法務局に 建物図面を提出しましたが、3筆が載ってはいるけど、実際に建物が建っているのは一部のみ という状況で、

 「ここまでが自宅の宅地」と断定できない。

その結果

―― 遺言の解釈が一義的に確定できず、登記申請が通らないという判断になりました。

⸻ ■ 今回はたまたま解決できたが…

幸い今回は、 * 相続人がA・Bの2名のみ * Bも「3筆すべてが自宅」という認識だった ため、

いったん遺言による申請を取り下げて、 法定相続で登記をやり直すことで解決できました。

⸻ ■ もし争いになっていたら?

これがもし

「 相続人間で認識が違っていた 」

「AとBの関係が良くなかった」

というケースであれば、  調停や訴訟 に発展する可能性も十分にありました。

⸻ ■ 自筆証書遺言の“落とし穴”

今回のポイントはとてもシンプルです。 「

自宅」と書いただけでは足りない

不動産は * 地番 * 家屋番号 で特定しないと、実務では動きません。

⸻ ■ まとめ 自筆証書遺言は * 手軽に作れる反面 * ちょっとした曖昧さが致命的になる という特徴があります。

今回のように * 「自宅」 * 「全部」 * 「残り」 といった表現は、実務では非常に危険です。

⸻ ■ 最後に せっかく遺言を残しても、 「使えない遺言」になってしまっては意味がありません。

特に不動産がある場合は、  専門家に一度チェックしてもらうだけで、リスクは大きく減らせます。

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